カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[164日目]

投稿日:2019年1月18日

「1日10湯」ペースに追いつく

九州編 35日目(2007年5月24日)

 古里温泉「ふるさと観光ホテル」の朝湯に入る。海辺の大露天風呂。ここは混浴で「南無観世音大菩薩」の浴衣を着て入る。鹿児島湾の海と自分とが一体になったかのような不思議な錯覚にとらわれた。朝食にはここの名物「龍神釜飯」が出た。露天風呂の源泉で炊き上げた釜飯で海鮮の具だくさん。そのあとイカ刺し、明太子、さつま揚げ、豆腐、サラダでご飯を食べた。食後のコーヒーを飲んで9時30分に出発。

 古里温泉「ふるさと観光ホテル」を出ようとしたときに、「テネレの94チン」こと久保さんがヤマハのテネレに乗って来てくれた。激しく噴煙を上げる桜島をバックに記念撮影。そのあと一緒に桜島フェリーの乗場まで走った。そこで「久保さん」とは別れた。久保さんはフェリーに乗って鹿児島へ。

 第1湯目は桜島マグマ温泉「レインボー桜島」の湯。浴室からは行き来する桜島フェリーを眺め、対岸の鹿児島の市街地を望んだ。湯から上がると、「久保さん」の差し入れの「チオビタドリンク」を飲み、鹿児島名物の「かるかん」を食べた。ほどよい餡の甘さが口の中いっぱいに広がる。

 桜島を一周する。

 第2湯目は桜島白浜温泉「桜島白浜温泉センター」の湯。塩分の濃い黄土色の湯。

 桜島の北側の黒神では、大正の大噴火で高さ3メートルの鳥居が埋まった「埋没鳥居」を見た。黒神川にかかる橋の上からは活火山、桜島の全貌を眺めた。噴煙はちょっと小休止といったところで、黒煙ではなく白煙を上げていた。こうして40キロほどの「桜島一周」を終えると、桜島口に戻ってきた。

 桜島は今でこそ地つづきになっているが、もともとは島だった。それが大正3年(1914)の大爆発で大量の溶岩が流れ出し、大隅半島とつながった。その接合部が桜島口なのだ。

 桜島口から国道220号を南下する。

 第3湯目は海潟温泉「江洋館」の湯。源泉はかなり熱い湯。それが勢いよく湯船に流れ込んでいる。飲泉可。抵抗感なくコップ1杯の湯を飲める。

 第4湯目は浜平温泉「江洋館別館」の湯。ここは大浴場の内風呂のみ。浴室内には温泉の湯気が充満している。窓を開けると、気持ちのいい風が吹き込んでくる。鹿児島湾の対岸には長々と横たわる薩摩半島の山並みが見える。

 第5湯目はテイエム牧場温泉「テイエム牧場温泉」の湯。すごい湯だ。何がすごいかというと、「荒野の温泉」といった雰囲気を湯屋&湯船の全体でかもし出している。ドボ、ドボドボッと息をついて源泉が湯船に流れ込んでいる。赤茶けたにごり湯。温泉の成分が湯船のへりに厚くこびりつき、幾何学模様のきれいな紋様を作り出している。ここは天然自噴の湯。

 テイエム牧場温泉を過ぎると、鹿屋から志布志へと通じる国道220号と分かれ、県道68号→国道269号でさらに大隈半島の鹿児島湾側の海沿いのルートを行く。

 第6湯目は坂元温泉「坂元温泉」の湯。ここは内風呂のみで、濁り湯。濃い赤茶けた湯の色。熱めの湯と温めの湯。飲泉可。湯から上がると、近くの「かもめ食堂」で昼食の「はまぐりラーメン」を食べた。

 第7湯目はねじめ温泉「ネッピー館」の湯。大浴場は塩分の濃い無色透明の湯。露天風呂は濁り湯でやはり塩分の濃い湯だ。

 大根占から国道448号で大隈半島を横断。大隈半島は薩摩半島に比べるとはるかに山は高く、険しい。ここには西日本でも最大級の照葉樹林帯もあり、豊かな自然が残されている。

 大隅半島の分水嶺の峠にさしかかると天気は崩れ、雨が降り出した。おまけに濃霧…。やっとの思いで峠を越え、太平洋側に下った。

 第8湯目は湯の谷温泉「湯の谷温泉」の湯。ここは内風呂のみ。無色透明の湯。大隅半島横断の雨と霧に痛めつけられたあとだけに、ここの湯には助けられた。

 第9湯目は内之浦温泉「かなえの湯」。ここは大浴場の内風呂のみ。ひとつづつ湯船に入っていく。

 第10湯目は高山温泉「高山温泉ドーム」の湯。大浴場と露天風呂。熱めの湯と温めの湯。「高山」の読みは「タカヤマ」でも「コウザン」でもなく「コウヤマ」だ。地名は難しい。ここでは湯から上がると、3個150円のトマトを一瞬のうちに丸かじりした。

 次に吾平温泉「湯遊ランドあいら」(入浴料300円)の湯に入った。ここは大規模な温泉施設。入浴客も多く混んでいた。大浴場と露天風呂はともに無色透明の湯。しかしここは天然温泉ではないようなのでカウントしない。

 第11湯目はおおさき温泉「あすぱる大崎」の湯。大浴場と露天風呂にどっぷりつかった。

 大隅半島を抜け出ると志布志へ。

 志布志からは国道220号で宮崎県に入り、串間温泉「いこいの里」に泊まった。

 今晩の宿に到着したのは22時10分。ここの大浴場は22時までなので、第12湯目は「部屋湯」になった。温泉はチョロチョロとしか出ないので、辛抱強く待つ。30分以上もかけて湯船に湯を溜めた。無色透明のつるつる湯で気持ちいい。湯につかりながら「いよいよこれで3000湯だな」と感無量。第164日目で1640湯になり、ついに「1日10湯」のペースになった。湯から上がると、夕食のコンビニ弁当を食べた。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 古里温泉「ふるさと観光ホテル」
朝食 古里温泉「ふるさと観光ホテル」 「龍神釜飯」
9時30分 古里温泉「ふるさと観光ホテル」を出発
久保さんとの出会い
1629湯目 桜島マグマ温泉「レインボー桜島」(300円)
1630湯目 桜島白浜温泉「桜島白浜温泉センター」(300円)
1631湯目 海潟温泉「江洋館」(250円)
1632湯目 浜平温泉「江洋館別館」(250円)
1633湯目 テイエム牧場温泉「テイエム牧場温泉」(330円)
1634湯目 坂元温泉「坂元温泉」(350円)
昼食 坂元温泉近くの「かもめ食堂」はまぐりラーメン(800円)
1635湯目 ねじめ温泉「ネッピー館」(300円)
1636湯目 湯の谷温泉「湯の谷温泉」(300円)
1637湯目 内之浦温泉「かなえの湯」(300円)
1638湯目 高山温泉「高山温泉ドーム」(300円)
吾平温泉「湯遊ランドあいら」
(天然温泉ではないようなのでカウントいない)
1639湯目 おおさき温泉「あすぱる大崎」(300円)
ダグリ岬温泉(断念)
宮崎県に入る
22時10分 串間温泉「いこいの里」(1泊朝食11550円)
1640湯目 串間温泉「いこいの里」
夕食 コンビニ弁当
本日の走行距離数 222キロ
本日の温泉入浴数 12湯

古里温泉「ふると観光ホテル」から見る鹿児島湾「ふるさと観光ホテル」の内湯「ふるさと観光ホテル」の混浴露天風呂

古里温泉「ふるさと観光ホテル」から見る鹿児島湾 「ふるさと観光ホテル」の内湯 「ふるさと観光ホテル」の混浴露天風呂

「ふるさと観光ホテル」の朝食「ふるさと観光ホテル」の「龍神釜飯」久保さんとの出会い

「ふるさと観光ホテル」の朝食 「ふるさと観光ホテル」の「龍神釜飯」 久保さんとの出会い

桜島マグマ温泉「レインボー桜島」久保さんの差し入れの「かるかん」桜島の避難港の岸壁で

桜島マグマ温泉「レインボー桜島」 久保さんの差し入れの「かるかん」 桜島の避難港の岸壁で

桜島白浜温泉「桜島白浜温泉センター」の露天風呂黒神川の橋の上から見る桜島海潟温泉「江洋館」

桜島白浜温泉「桜島白浜温泉センター」の露天風呂 黒神川の橋の上から見る桜島 海潟温泉「江洋館」

浜平温泉「江洋館別館」「江洋館別館」の湯テイエム牧場温泉「テイエム牧場温泉」の湯

浜平温泉「江洋館別館」 「江洋館別館」の湯 テイエム牧場温泉「テイエム牧場温泉」の湯

「テイエム牧場温泉」から見る鹿児島湾坂元温泉「坂元温泉」「坂元温泉」の湯

「テイエム牧場温泉」から見る鹿児島湾 坂元温泉「坂元温泉」 「坂元温泉」の湯

「かもめ食堂」の「はまぐりラーメン」ねじめ温泉「ネッピー館」湯の谷温泉「湯の谷温泉」の湯

「かもめ食堂」の「はまぐりラーメン」 ねじめ温泉「ネッピー館」 湯の谷温泉「湯の谷温泉」の湯

高山温泉「高山温泉ドーム」今晩の宿、串間温泉「いこいの里」に到着夕食のコンビニ弁当

高山温泉「高山温泉ドーム」 今晩の宿、串間温泉「いこいの里」に到着 夕食のコンビニ弁当

Comments

Comments are closed.