カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[256日目]

投稿日:2020年1月18日

標茶から中標津へ

北海道編 32日目(2007年9月21日)

 鶴居村温泉「ホテルTAITO」の朝湯に入る。大浴場と露天風呂。露天風呂には羽釜型の釜風呂もある。琥珀色の湯にどっぷりつかる。湯からあがると、ご飯、味噌汁、サンマの塩焼き、温泉卵、塩辛、煮物、納豆、海苔、梅干の朝食を食べ、9時に出発だ。

 鶴居村からは道道53号→国道274号でゆるやかに起伏する牧草地帯を走り抜けていく。透き通った青空。切る風のさわやかさといったらない。

 第1湯目はオーロラ温泉「オーロラファームヴィレッジ」の湯。国道274号を左折し、3キロほどダートを走る。農場の受付で入浴料金を払い、さらにバイクで奥へ。混浴露天風呂に入る。木の湯船。茶色っぽい湯。湯につかりながら目の前の森を眺める。次のシロンドー温泉は廃業湯だった。

 標茶に出ると国道391号を南下。

 第2湯目は標茶温泉「味幸園」の湯。ここの謳い文句は「道東一の天然温泉!」。大浴場の内風呂のみで、2つの湯船がある。大風呂は熱めの湯、小さい方は温めの湯で、湯はともに焦げ茶色。飲泉可の温泉だ。次の五十石温泉は廃業湯で、「レストラン草原」も閉まっていた。

 第3湯目は茅沼温泉「かや沼」の湯。大浴場と露天風呂。無色透明無味無臭の湯。湯から上がると大広間で15分寝。

 第4湯目はシラルトロ湖温泉「ロッジシラルトロ」の湯。大浴場と露天風呂。ここは無色透明有味無臭の湯。内風呂の方が味が濃い。露天風呂は「笹の湯」で、目の前の山肌の笹が風に揺れてカサカサ鳴っている。加水ナシ、加温ナシの源泉掛け流しの湯。「源泉100パーセント!」がここの自慢だ。

 標茶から中標津へ。

 第5湯目は養老牛温泉「ホテル養老牛」の湯。広々とした大浴場の大風呂に入る。熱めの湯。ここの源泉は79.0度という高温湯。そのあと渓流沿いの露天風呂に入った。

 第6湯目はその奥のからまつの湯温泉「からまつの湯」。無料湯の混浴露天風呂。湯につかりながら目の前を流れる渓流を眺めた。

 中標津への途中に「カブタン指令第10号」の開陽台がある。円形の展望塔に登り、雄大な道東の風景を一望。カブタンの指令というのは、ここから「格子状防風林」をよく見るようにというもの。開陽台からの眺めを目に焼き付けたところで昼食。「開陽台ランチBOX」を食べた。

 開陽台から中標津の市街地に入っていく。ここには「ホテルマルエー」、「トーヨーグランドホテル」、「北ホテル」などの温泉ホテル、さらには温泉施設があるが、それらを総称して中標津温泉とした。

 第7湯目は中標津温泉「ホテルマルエー」の湯。ほぼ無色透明のツルツル湯にどっぷりとつかった。

 第8湯目は鉄の湯温泉「鉄の湯」。入浴料の400円は入口のペットボトルに入れる。ここは大浴場の内風呂のみ。2つの湯船があるが、ともに塩分を含んだ濁り湯だ。

 中標津から国道272号を南下する。

 第9湯目は大平原温泉「しまふくろう」の湯。大浴場と露天風呂。大浴場には熱め、温めの2つの湯船。有味有色の湯だ。

 第10湯目は別海温泉の温泉銭湯の「清乃湯」。ここは大浴場の内風呂のみ。塩分を含んだ薄茶色の湯につかる。湯には若干のべとつきがある。

 別海から道道364号で本別海へ。そこから国道244号で知床半島入口の標津に向かった。

 第11湯目はその途中にある野付温泉「浜の湯」。大浴場と露天風呂。大浴場には泉質の違う2つの湯船。

 アルカリ性単純温泉の方につかっていると、
「カソリさ〜ん!」
 と、背中越しに声をかけられた。

 いや〜、驚いた。何とそこには「板さん」の顔があった。信じられないような「板さん」との出会い。1999年の「50代編日本一周」で札幌のお宅に泊めてもらったとき以来、8年ぶりの再会になる。そのときはかわいらしいKちゃんと一緒に住んでいたので、「Kちゃんは?」と聞くと、「そんな胸にグサッとくるようなことは聞かないで下さいよ」といわれてしまった。

「板さん」に初めて会ったのは1989年の「40代編日本一周」のときのこと。沖縄・石垣島の米原キャンプ場だった。夜になると大宴会。「板さん」には泡盛をさんざん振舞われ、夜明け近くまで飲んだ。そんな「板さん」に野付温泉「浜の湯」で再会したのだ。

 板さんは尾岱沼での「シャケバイ」(サケのアルバイト)の最中だという。湯から上がると、「マルヒロシャケバイ」の宿舎に連れていってもらった。そこにいるみなさんは大半がライダーで、夏は北海道、冬は沖縄という人が多かった。

 なんとも名残おしい「マルヒロシャケバイ」だったが、みなさんに別れを告げて標津へ。20時50分、今晩の宿の標津温泉「ホテル楠」に到着。第12湯目の宿湯に入りながら、板さんと過ごした「米原キャンプ場」の夜をなつかしく思い出すのだった。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 鶴居村温泉「ホテルTAITO」
朝食 鶴居村温泉「ホテルTAITO」 ご飯、味噌汁、サンマの塩焼き、温泉卵、塩辛、煮物、納豆、海苔、梅干
9時 鶴居村温泉「ホテルTAITO」を出発
2673湯目 オーロラ温泉「オーロラファームヴィレッジ」(350円)
シロンドー温泉(廃業湯)
2674湯目 標茶温泉「味幸園」(400円)
五十石温泉(廃業湯)
2675湯目 茅沼温泉「かや沼」(400円)
2676湯目 シラルトロ湖温泉「ロッジシラルトロ」(500円)
2677湯目 養老牛温泉「ホテル養老牛」(500円)
2678湯目 からまつの湯温泉「からまつの湯」(無料)
昼食 開陽台 開陽台ランチBOX(700円)
2679湯目 中標津温泉「ホテルマルエー」(390円)
2680湯目 鉄の湯温泉「鉄の湯」(400円)
2681湯目 大平原温泉「しまふくろう」(500円)
2682湯目 別海温泉「清乃湯」(390円)
2683湯目 野付温泉「浜の湯」(390円)
出会い 板さん、「マルヒロ・シャケバイ」のみなさん
20時50分 標津温泉「ホテル楠」(6300円)
2684湯目 標津温泉「ホテル楠」
夕食 コンビニ弁当
本日の走行距離数 311キロ
本日の温泉入浴数 12湯

鶴居村温泉「ホテルTAITO」の朝湯に入る「ホテルTAITO」の朝食「ホテルTAITO」を出発

鶴居村温泉「ホテルTAITO」の朝湯に入る 「ホテルTAITO」の朝食 「ホテルTAITO」を出発

国道274号沿いの牧草地帯オーロラ温泉「オーロラファームヴィレッジ」の湯標茶温泉「味幸園」

国道274号沿いの牧草地帯 オーロラ温泉「オーロラファームヴィレッジ」の湯 標茶温泉「味幸園」

茅沼温泉「かや沼」「かや沼」の露天風呂養老牛温泉「ホテル養老牛」の湯

茅沼温泉「かや沼」 「かや沼」の露天風呂 養老牛温泉「ホテル養老牛」の湯

開陽台からの眺め開陽台で昼食。「開陽台ランチBOX」を食べる中標津温泉「ホテルマルエー」

開陽台からの眺め 開陽台で昼食。「開陽台ランチBOX」を食べる 中標津温泉「ホテルマルエー」

大平原温泉「しまふくろう」別海温泉「清乃湯」野付温泉「浜の湯」

大平原温泉「しまふくろう」 別海温泉「清乃湯」 野付温泉「浜の湯」

板さんと「マルヒロ・シャケバイ」のみなさん

板さんと「マルヒロ・シャケバイ」のみなさん    

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