温泉めぐり日本一周[257日目]
投稿日:2020年1月24日
知床半島の湯めぐり
標津温泉「ホテル楠」の朝湯に入る。大浴場の内風呂のみ。中央に楕円形の大風呂がある。無色透明のツルツル湯にどっぷりつかる。朝湯から上がるとご飯、味噌汁、サンマの塩焼き、イクラ、目玉焼き、煮物、佃煮、トウモロコシ、青菜の朝食を食べ、8時30分に出発だ。
標津からは国道244号で根北峠に向かっていく。平原から山地に入ったあたりで国道を左折し、笹の沢林道で第1湯目の川北温泉へ。カーブを曲がったところで道を横切る2頭の熊と遭遇。一瞬、心臓が凍りついたが、2頭の熊はそれ以上に驚いたような仕草で、そそくさと渓流沿いの茂みの中に消えた。2頭とも子熊のようだった。
笹の沢林道を5キロほど走ると、川北温泉に到着。森林の中にポツンと湯屋がある。男女別の露天風呂でうれしい無料湯。さっそく湯につかる。白濁色の硫黄泉。「川北温泉愛好会」のみなさんがきれいにしてくれているので、じつに気持ちよく入れた。
国道244号に戻ると、さらに根北峠に向かって走り、今度は国道を右折。金山薫別林道で知床半島に入っていく。第2湯目の薫別温泉に向かったが、さきほどの笹の沢林道よりもっと熊が出そう…。DRを停めて写真を撮るときなどは、いつでも逃げられるようにエンジンをかけたままにした。だが幸い熊に出会うことなく、11.3キロのダートを走り切り、薫別温泉に到着した。
薫別温泉はまったく人気のない深山幽谷の地にある。知床半島一番の秘湯だ。道の行き止まり地点にDRを停め、崖の小道を滑り落ちるようにして下り、薫別川の岩棚の露天風呂へ。熱湯が岩壁から流れ出ている。岩棚の露天風呂に入ろうとしたが、火傷しそうな湯の熱さ。前の年に来たときはポリバケツが置いてあったのだが…。今回はない。さー、困った。入らないでスゴスゴ立ち去ることは絶対にできない。
「よし、やろう!」
と腹を決めた。
湯船のふちに速報用の写真を撮る携帯を置き、瞬間勝負で湯に入った。
「アチチチチチチチチチチッ!!!」
まさに熱湯地獄。携帯で写真を撮るまでの数秒間、懸命になって歯をくいしばって湯につかった。「300日3000湯」は難行苦行の連続だが、その中でも一、二の難行といっていい。湯から上がると体は真っ赤。それでも火傷することはなかった。
国道335号に出ると、羅臼へ。根室海峡の水平線に横たわる国後島が大きく見える。この国後島を見るのが「カブタン指令」の第11号。天気が良くてよかった。
羅臼からはそのまま国後島を見ながら走り、瀬石のセセキ温泉へ。だが入浴できるのは9月15日までだとのことで、残念ながら入れなかった。ここは個人の私有地。まあ、仕方ないか…。
第3湯目は相泊温泉。湯屋が取り払われ、露天風呂だけが海岸にとり残されたようにあった。湯温はジャスト適温。湯から上がると、道の行き止まり地点の食堂「熊の穴」で昼食。トド肉の「焼肉定食」を食べた。ここでは熊肉料理や鹿肉料理も食べられる。
羅臼に戻ると、国道334号で知床峠へ。
第4湯目は羅臼温泉。「らうす第一ホテル」の湯に入る。大浴場の2つの湯船はともに熱めの湯。ここの源泉は85.0度という高温湯。露天風呂もあるが、ともに無色透明の湯。
第5湯目は知床峠下の熊の湯温泉「熊の湯」。男女別の露天風呂。脱衣所の「寄付金箱」に200円を入れて入った。かなり熱めの湯。我慢、我慢、我慢で入った。
知床峠を越え、根室海峡側からオホーツク海側に出る。国道334号を右折し、カムイワッカ方面へ。その道から3、4キロほど行ったところに第6湯目の岩尾別温泉。ここには一軒宿「地の涯ホテル」があるが、宿の湯ではなく、森の湯には無料で入れる。混浴の露天風呂。3段になって流れ落ちているが、上は熱く、下は温い。このあとカムイワッカ湯の滝に向かったが、すでに冬期閉鎖で通行止だった。残念…。
国道334号に戻り、プユニ岬でオホーツク海を眺める。ウトロの街並み、漁港もよく見える。
第7湯目はウトロ温泉。「国民宿舎桂田」の湯に入る。内風呂と露天風呂。ともににごり湯で塩分が濃い。
ウトロから国道334号で斜里へ。その途中の川の河口では、何人もの釣人が群がっていた。登ってくるカラフトマスを釣っているのだ。そんな釣人の間をすり抜けてカラフトマスが登っていくと、ギャラリーの見物人たちは盛大な拍手を送った。
第8湯目のウナベツ温泉「ウナベツ自然休養村管理センター」の湯に入る。ここは内風呂のみ。若干の濁り湯でかすかな味がする。
知床半島の温泉めぐりを終えると、斜里の町に入っていく。
斜里から国道244号で根北峠へ。斜里岳を見ながら夕暮れの道を走る。
第9湯目は越川温泉。越川の集落を過ぎた先の国道沿いにある。入口の料金箱に200円を入れる。すでに日は落ち、暗かった。電気はついていない。手探りで浴室まで行き、湯に入った。しばらくすると、車が1台やってきて、そのあとで電気がついた。ここには電源がない。車のバッテリーに接続すると明かりがつくのだ。やってくる車が電源の役目を果たすというのが「越川ルール」。日本にはこういう温泉もある。ここは個人所有の温泉で、「越川老人会」が管理しているという。塩分を含んだにごり湯。なかなかのいい湯だ。
第10湯目は斜里の町中のグリーン温泉。ここは宿泊もできるとのことで、部屋も空いていた。今晩の宿をここにし、部屋に荷物を置くと、すぐさま湯に入る。湯から上がるとDRにまたがり、夜の温泉めぐりに出発。
第11湯目は斜里温泉「湯元館」の湯。ここはモール泉のツルツル湯。
第12湯目は清里温泉「緑清荘」の湯。ここは大浴場の内風呂のみで、ワサワサとかなり混みあっていた。
こうして2湯に入るとグリーン温泉に戻り、再度、「宿湯」に入るのだった。
朝湯 | 標津温泉「ホテル楠」 |
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朝食 | 標津温泉「ホテル楠」 ご飯、味噌汁、サンマの塩焼き、イクラ、目玉焼き、煮物、佃煮、トウモロコシ、青菜 |
8時30分 | 標津温泉「ホテル楠」を出発 |
2685湯目 | 川北温泉「川北温泉」(無料) |
2686湯目 | 薫別温泉「薫別温泉」(無料) |
セセキ温泉(その他) | |
2687湯目 | 相泊温泉「露天風呂」(無料) |
昼食 | 相泊温泉「熊の穴」トド焼肉定食(1350円) |
2688湯目 | 羅臼温泉「らうす第一ホテル」(500円) |
2689湯目 | 熊の湯温泉「熊の湯」(200円) |
知床峠(峠越え) | |
2690湯目 | 岩尾別温泉「森の湯」(無料) |
2691湯目 | ウトロ温泉「国民宿舎 桂田」(500円) |
オシンコシンの滝 | |
2692湯目 | ウナベツ温泉「ウナベツ自然休養村管理センター」(300円) |
2693湯目 | 越川温泉「越川温泉」(200円) |
2694湯目 | グリーン温泉「グリーン温泉」 |
2695湯目 | 斜里温泉「湯元館」(400円) |
2696湯目 | 清里温泉「緑清荘」(380円) |
20時45分 | グリーン温泉「グリーン温泉」(1泊朝食5000円) |
夕食 | コンビニ弁当 |
本日の走行距離数 302キロ | |
本日の温泉入浴数 12湯 |
標津温泉「ホテル楠」の朝湯に入る | 「ホテル楠」の朝食を食べる | 「ホテル楠」を出発 |
標津から国道244号を北へ | 川北温泉への笹の沢林道。この先で熊に出会う | 金山薫別林道で薫別温泉に向かう |
薫別川の渓流 | 薫別温泉の露天風呂 | 根室海峡越しに国後島を見る |
セセキ温泉から見る国後島 | 相泊温泉「熊の穴」の「トドの焼肉」 | 羅臼温泉「らうす第一ホテル」の大浴場 |
熊の湯温泉「熊の湯」 | 国道334号で知床峠を登っていく | 知床峠から見る羅臼岳 |
知床峠から見下ろす国後島 | 知床峠を下っていくとオホーツク海が見えてくる | 岩尾別温泉「ホテル地の涯」 |
岩尾別温泉「森の湯」 | カムイワッカ湯の滝への道は冬期閉鎖で通行止 | ウトロの町 |
ウトロ温泉「国民宿舎 桂田」 | 「国民宿舎 桂田」の湯 | オシンコシンの滝 |
夕食のコンビニ弁当 |