温泉めぐり日本一周[280日目]
投稿日:2020年4月3日
代打逆転満塁ホームラン
越後長野温泉の朝湯に入る。大浴場と露天風呂。ほぼ無色透明の湯で塩分を含んでいる。湯から上がると朝食。それも部屋食だ。まずは蜂蜜入りの山葡萄ジュースを飲み、ぼくの大好物の朝粥を食べ、そのあと熱々の茶碗蒸し、イカ刺し、塩ジャケ、山菜料理、野菜サラダ、のり、漬物で「三杯飯」を食べ、お櫃を空にした。味噌汁は車麩と天然ナメコ、ミツバだったが、これがまたよかった。
9時、越後長野温泉を出発。雨が降っている。国道289号→国道290号で栃尾へ。栃尾を拠点にしての温泉めぐりの開始だ。
まずは大野温泉「大野館」へ。まだ湯を沸かしていないとのことで入れなかった。12時以降なら入れるという。
次は荷頃温泉の「長生館」。宿のご主人はぼくの顔を見るなり、「カソリさんではないですか!」と、驚きの声を上げた。70歳を過ぎた方だが、今でもバイクを乗りまわし、東北の温泉めぐりをよくするという。うれしいことに、『日本一周バイク旅4万キロ』(昭文社)の本を片手にまわっているという。秋田県の三又温泉では「カソリさんの本を見てきました」といったら、夕餉の膳に、3品も余分につけくれたという。ここには、「テレビチャンピオン」で連続優勝した「温泉王」の郡司さんや、準優勝の今成さんもバイクに乗ってやって来たという。
そんな荷頃温泉だったが、2004年の「中越地震」で大きな被害を受けた。10月23日のM6・8の本震では大丈夫だったが、10月27日の余震で温泉が止まってしまったという。それ以降は井戸水を沸しているという。ということで、荷頃温泉は入浴数にはカウントしないで、内風呂に入らせてもらった。湯から上がると、ご主人とはひとしきり話した。「カソリさん、あなたの奥さんは小出の人でしょ。それでよけいにカソリさんを身近に感じているんですよ」
おうおう、そこまで知ってくれているのですか…。
栃尾と小出は国道290号でつながっている。
荷頃温泉のご主人に見送られ、県道9号で森立峠へ。峠下は軽井沢。「軽井沢」は東北に多い地名だが、新潟にもある。森立峠を越えたところが成願寺温泉。一軒宿は中越地震で倒壊し、建物をとり壊していた。つづいて愛鱗温泉に行ったがここも入浴できず、栃尾に戻った。
道の駅「とちお」で昼食。栃尾名物の「油揚」を食べる。「油揚煮定食」の方を食べた。「油揚焼定食」もある。ここの油揚は「お稲荷さん」で使うような油揚ではなく、厚揚風の油揚げで、じつに食べごたえがある。
昼食を食べ終えると、さきほどの大野温泉「大野館」へ。やっと第1湯目に入れた。ここは内風呂のみ。ほぼ無色透明の湯にはヌルヌル感がある。大野温泉は甲州や信州の「信玄の隠し湯」ならぬ越後の「謙信の隠し湯」だ。
栃尾拠点の温泉めぐりの第2弾目を開始。
県道9号→県道24号で山古志へ。ここもやはり中越地震で大きな被害を受けたところだ。種芋原温泉は廃業湯…。「あまやちの湯」に入ったが、ここは天然温泉ではないとのことでカウントせず…。結局、1湯にも入れずに栃尾に戻ってきた。
栃尾拠点の温泉めぐりの第3弾目。国道351号で榎峠を越える。
第2湯目は麻生田温泉「麻生の湯」。大浴場と露天風呂。ともに塩分を含んだ無色透明の湯。露天風呂からは平野の向こうに弥彦山を見る。つづいて桂温泉に行くと「本日休業」、見附温泉に行くと「廃業湯」…。
第3湯目は名木野湯温泉「なぎの湯」。内風呂のみ。木わくの湯船。茶色っぽい湯の色。ここは知られざる名湯。名木野湯温泉からは桑探峠を越えて栃尾に戻ったが、その途中の田井の湯温泉は「休業中」で入れなかった…。
栃尾到着は16時30分。この時点でまだ3湯…。これはワースト記録だ。気をとりなおし、道の駅「とちお」で「ハンバーグカレー」を食べた。こういうときは食べるに限る。食べると不思議なもので、元気が蘇り、「よーし、何が何でも10湯を目指そう!」という気になった。
栃尾出発は17時。国道290号を南下。石峠を越える。
第4湯目は守門温泉「青雲館」の湯。ここは大浴場の内風呂のみで、白濁の濁り湯。無臭のツルツル湯につかった。
第5湯目は寿和温泉「ひめさゆり荘」の湯。ここも大浴場の内風呂のみで、ほぼ無色透明の湯。露天風呂は修理中で入れなかった。つづいてニュー浅草岳温泉に行ったが、「三グリーンパーク」の日帰り入浴は17時までで入れず。「音松荘」と「ホテル大自然館」にも入れなかった。
第6湯目は神湯温泉「神湯とふれあいの里」の湯。大浴場と露天風呂。ともに無色透明の湯だ。
小出到着は19時50分。
第7湯目は小出温泉「こまみ」の湯。大浴場の内風呂のみ。浴室からは小出の町明かりを見下ろす。ここは「絶景湯」。昼間なら、魚野川の流れを見下ろし、駒ヶ岳、中ノ岳、八海山の「越後三山」を一望する。湯から上がったところで20時の「宿探し」。一発で栃尾又温泉の「自在館」に宿がとれた。それも信じられないような話なのだが、夕食も用意してくれるという。
小出からは国道352号で湯谷温泉郷に入っていく。
第8湯目は芋川温泉「まんねん荘」の湯。内風呂のみ。無色透明のやわらかな湯。
第9湯目は折立温泉「やまきや旅館」の湯。無色透明の湯で、芋川温泉に似たやわらかな湯。この湯につかったときはうれしかった。まるで最終回に代打逆転満塁ホームランを打ったような気分。これで1日10湯を達成できる。諦めなくってよかったと心底、思った。
栃尾又温泉の「自在館」に到着したのは21時10分。「宿湯」の前に「宿食」だ。部屋に夕餉の膳を運んでくれる。ニジマスの刺身、イワナの塩焼き、カモ鍋、キノコの酢の物、キクの花、漬物。キノコの酢の物は絶品で、アマンダレ(ナラタケ)、キクラゲ、ナメコの3種のキノコはすべて天然もの。味噌汁もキノコ汁だ。
食べ終わったところで第10湯目の「宿湯」に入った。温めの湯に1時間以上、入った。「子宝の湯」で知られる栃尾又温泉の湯には1時間でも2時間でも入っていられる。
朝湯 | 越後長野温泉「嵐渓荘」 |
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朝食 | 越後長野温泉「嵐渓荘」 朝粥、ご飯、味噌汁、茶碗蒸し、イカ刺し、塩ジャケ、山菜料理、野菜サラダ、のり、漬物 |
9時 | 越後長野温泉「嵐渓荘」を出発 |
人面峠(峠越え) | |
昼食 | 「道の駅 とちお」油揚煮定食(600円) |
2930湯目 | 大野温泉「大野館」(500円) |
荷頃温泉「長生館」(中越地震で温泉が止まっている) | |
種芋原温泉(廃業湯) | |
あまやちの湯(500円・天然温泉ではない) | |
榎峠(峠越え) | |
成願寺温泉(中越地震で建物が倒壊) | |
愛鱗温泉(その他) | |
2931湯目 | 麻生田温泉「麻生の湯」(780円) |
桂温泉(定休日) | |
見附温泉(廃業湯) | |
2932湯目 | 名木野湯温泉「なぎの湯」(500円) |
田井ノ湯温泉(休業中) | |
桑探峠(峠越え) | |
「道の駅 とちお」ハンバーグカレー(800円) | |
石峠(峠越え) | |
2933湯目 | 守門温泉「青雲館」(500円) |
2934湯目 | 寿和温泉「ひめさゆり荘」(500円) |
ニュー浅草岳温泉(入れず) | |
2935湯目 | 神湯温泉「神湯とふれあいの里」(400円・割引) |
2936湯目 | 小出温泉「こまみの湯」(500円) |
2937湯目 | 芋川温泉「まんねん荘」(500円) |
2938湯目 | 折立温泉「やまきや旅館」(500円) |
21時10分 | 栃尾又温泉「自在館」(1泊2食11280円) |
2939湯目 | 栃尾又温泉「自在館」 |
夕食 | 栃尾又温泉「自在館」 ご飯、味噌汁、ニジマスの刺身、イワナの塩焼き、カモ鍋、キノコの酢の物、キクの花、漬物 |
本日の走行距離数 239キロ | |
本日の温泉入浴数 10湯 |
越後長野温泉「嵐渓荘」の朝湯に入る | 「嵐渓荘」の朝食 | 荷頃温泉「長生館」 |
「道の駅 とちお」の「油揚煮定食」 | これが栃尾の油揚 | 大野温泉「大野館」 |
麻生田温泉「麻生の湯」 | 名木野湯温泉「なぎの湯」 | 田井ノ湯温泉は休業中 |
「道の駅 とちお」の「ハンバーグカレー」 | 守門温泉「青雲館」の湯 | 寿和温泉「ひめさゆり荘」 |
栃尾又温泉「自在館」の夕食 |