カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[281日目]

投稿日:2020年4月5日

「今日はとことん付き合います」

北海道編 57日目(2007年10月16日)

 栃尾又温泉「自在館」の朝湯に入る。ここの湯は日本でも有数のラジウム泉。湯から上がると、ご飯、味噌汁、塩ジャケ、スクランブルエッグ、納豆、海苔、青菜の炒め物、漬物、ヨーグルトの朝食を食べ、9時に出発。

 栃尾又温泉からは駒ヶ岳の山中に入っていく。

 第1湯目は駒の湯温泉。「駒の湯休憩舎」の「混浴風呂」に入る。湯船中央の円筒から湯が勢いよく噴出し、湯船から音をたてて流れ出している。温めの湯なのでなかなか出られず、1時間近くつかっていた。

 ここで折り返す。

 第2湯目は大湯温泉。日帰り湯の「ユピオ」は定休日なので、「村上屋旅館」の湯に入った。8階の展望大浴場の無色透明の湯につかる。つづいて葎沢温泉に行ったが、廃業湯で入れず。

 第3湯目は薬師温泉「ゆーパーク薬師」の湯。ここは大浴場の内風呂のみ。無色透明の湯につかる。露天風呂もあるのだが、今日は女性専用だ。浴室の前はスキー場。その下のソバ畑では白いソバの花が咲いている。

 第4湯目は中子沢温泉では「羽川荘」に行ったが、今日は休館日。そこで「老人憩いの家」の湯に入った。ここは内風呂のみで、小さな湯船。無色透明の湯にどっぷりつかる。

 小出に戻ると国道17号を南下。魚野川流域の温泉をめぐる。

 第5湯目は越後浦佐温泉。温泉旅館の「てじまや」でDRを停めたときのことだ。車が1台やってきた。何と「ゆーゆーさん」ではないか。これで8度目の出会いになる。「ゆーゆーさん」は「今日はとことん、カソリさんに付き合いますよ」と、うれしいことを言ってくれる。ということで、まずは「てじまや」の湯に入る。大浴場、露天風呂ともに、にごり湯だ。次の市野沢温泉は廃業湯で入れなかった。

 第6湯目は河原沢温泉「幸栄館」の湯。ここは大浴場の内風呂のみ。無色透明の湯で、女湯との境では水車がまわっている。浴室からは庭園の大きな池を眺める。

 第7湯目は六日町温泉「魚とし旅館」の湯。大浴場と露天風呂。無色透明の湯。旅館のすぐわきを魚野川が流れている。

 六日町からは国道291号→県道233号で魚野川支流の三国川沿いを行く。

 第8湯目は五十沢温泉「ゆもとかん」の湯。ここには男女別の内風呂のほかに、混浴の大露天風呂もある。無色透明のツルツル湯でPH9・4。源泉は50・3度。ここではうれしいゆーゆーさんとの混浴だ。

 第9湯目はその奥の畔地温泉「旅館こいし」の湯。大浴場と露天風呂。ともに無色透明の湯。宿には石の置物がたくさんある。ゆーゆーさんは「ここは石屋さんのやってる温泉かな」と言う。なるほど。県道沿いには何軒かの石屋があった。

 六日町に戻るころには日が暮れる。

 六日町から国道17号で塩沢へ。そこから魚沼丘陵の栃窪峠に向かって登っていく。

 第10湯目は栃窪峠下の栃窪温泉。「早稲田屋」で入浴を頼んだ。すると「男湯にしか湯を入れていないので、それでよければどうぞ」と言われた。ラッキー。ということで、ゆーゆーさんとの2度目の混浴になった。ここは内風呂のみで、それも小さな湯船。無色透明の湯。ゆーゆーさんの白い肌は、たちまちきれいな桜色に染まる。それを目の前で見るのだからたまらない。

 栃窪温泉は「ゆーゆーさん」にとってはまだ第6湯目なので、何としても10湯を目指そうということになった。

 塩沢に戻ると、第11湯目の島新田温泉「金城の里」へ。ここは焼却場を造る見返りに掘った温泉。無色透明の湯につかる。つづいて塩沢温泉「アクエリアス」に行ったが、ここは廃業湯。痛っ。これで「ゆーゆーさん」の10湯達成はきわめて厳しくなった。だが、それでも諦めない2人。

 国道17号から大沢峠に向かったところにある大沢山温泉へ。「大沢館」は入浴のみは不可。「大沢山荘」は電気が消えている。最後の望みを託して「高七城」へ。すると入浴OK。ゆーゆーさんと手を取り合って喜んだ。こうして第12湯目(ゆーゆーさんにとっては第8湯目)の湯に入ることができた。ここは内風呂のみ。無色透明の湯。

 国道17号に戻ると、国道353号で丸山温泉へ。祈るような気持ちで「ホテル古城館」に行く。

「入浴、させてもらえますか?」

「いいですよ、どうぞ」
 といわれたときは、小躍りして喜び合った。

 第13湯目の丸山温泉は、ゆーゆーさんにとっては第9湯目になる。

 ここも入れるのはひとつの湯船だけということで、今日、3度目のゆーゆーさんとの混浴になった。

 今晩の宿、上野温泉「名月荘」に到着したのは20時15分。ゆーゆーさんも一緒に泊まってくれる。女将さんは2人分の夕食を用意してくれた。さっそく第14湯目の「宿湯」に入る。ゆーゆーさんにとっては第10湯目になる。

 湯から上がると、「10湯達成、おめでとう!」で、大盛り上り。日本酒が大好きなゆーゆーさんと塩沢の地酒「鶴齢」で乾杯。さらにシャブシャブの夕食を食べながら「鶴齢」を飲んだ。夕食を終えると、女将さんから「鶴齢」の1升びんを1本もらい、今度は部屋での飲み会開始。冷酒を茶碗でグイグイ飲む干した。いつになく饒舌なゆーゆーさん。ほほがほんのり赤く染まっている。「鶴齢」の1升びんを空にしたところで、鄙びた温泉宿での宴会はお開きになった。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 栃尾又温泉「自在館」
朝食 栃尾又温泉「自在館」 ご飯、味噌汁、塩ジャケ、スクランブルエッグ、納豆、海苔、青菜の炒め物、漬物、ヨーグルト、グレープフルーツジュース
9時 栃尾又温泉「自在館」を出発
2940湯目 駒の湯温泉「駒の湯山荘」(500円)
2941湯目 大湯温泉「村上屋旅館」(500円)
葎沢温泉(廃業湯)
2942湯目 薬師温泉「ゆーパーク薬師」(600円)
2943湯目 中子沢温泉「老人憩いの湯」(350円)
2944湯目 越後捕佐温泉「てじまや」(600円)
出会い ゆーゆーさん
市野沢温泉(廃業湯)
2945湯目 河原沢温泉「幸栄館」(500円)
2946湯目 六日町温泉「魚とし旅館」(1000円)
2947湯目 五十沢温泉「ゆもとかん」(500円)
2948湯目 畔池温泉「旅館こいし」(400円)
2949湯目 栃窪温泉「早稲田屋」(500円)
2950湯目 島新田温泉「金城の里」(300円)
塩沢温泉「アクエリアス」(廃業湯)
2951湯目 大沢山温泉「高七城」(1000円)
2952湯目 丸山温泉「ホテル古城館」(500円)
20時15分 上野温泉「名月荘」(1泊2食6620円)
2953湯目 上野温泉「名月荘」
夕食 上野温泉「名月荘」シャブシャブ
本日の走行距離数 125キロ
本日の温泉入浴数 14湯

栃尾又温泉「自在館」の朝湯に入る「自在館」の朝食「自在館」を出発

栃尾又温泉「自在館」の朝湯に入る 「自在館」の朝食 「自在館」を出発

駒の湯温泉「駒の湯山荘」「駒の湯山荘」の湯越後捕佐温泉「てじまや」

駒の湯温泉「駒の湯山荘」 「駒の湯山荘」の湯 越後捕佐温泉「てじまや」

「てじまや」の湯河原沢温泉「幸栄館」六日町温泉「魚とし旅館」

「てじまや」の湯 河原沢温泉「幸栄館」 六日町温泉「魚とし旅館」

五十沢温泉「ゆもとかん」「ゆもとかん」の湯畔池温泉「旅館こいし」の露天風呂

五十沢温泉「ゆもとかん」 「ゆもとかん」の湯 畔池温泉「旅館こいし」の露天風呂

大沢山温泉「高七城」上野温泉「名月荘」の夕食

大沢山温泉「高七城」 上野温泉「名月荘」の夕食  

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