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生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

ジクサー150分割日本一周[18]

投稿日:2020年6月8日

中国一周編 8(2017年3月3日)

備後の一宮「素盞嗚神社」

 ジクサー150を走らせ、旧山陽道で岡山県から広島県に入った。県境が備中と備後の国境。吉備国が備前、備中、備後、美作の4国に分かれたが、備前、備中、美作は岡山県で、備後だけが広島県。この国境越えの区間は、国道313号と国道486号の重複区間になっている。

 備後の国分寺跡を通り、広島県内最初の山陽道の宿場、神辺宿に入っていく。ここには「神辺本陣」が残っている。菅波家の建物だ。神辺は井原鉄道の終点で、JR福塩線の神辺駅に接続している。旧山陽道はここから南へ。今津宿(福山市)を通って、尾道から三原へと通じている。

 神辺宿でいったん旧山陽道と別れ、国道486号で府中に向っていく。備後の府中だ。

 旧新市町(現福山市)に入ったところに、備後の一宮の素盞嗚(すさのお)神社がある。ここはちょっとわかりにくい。JR福塩線の上戸手駅の近くにあるが、国道486号の北側になる。町の南側を芦田川が流れている。

 素盞嗚神社の社地は「早苗の森」。そこに牛頭天王が祀られていた。牛頭天王というのは素盞嗚(すさのお)尊のことで、素盞嗚神社の祭神は素盞嗚尊になる。

 備前の一宮の石上布都魂神社のところでもふれたことだが、素戔嗚尊は『日本書紀』に登場する八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した神。濁酒を醸造して、8つの頭を持った八岐大蛇に飲ませ、酔っぱらわせて眠らせてから剣で頭や腹を断ち切った。最後に尾を切ると、中から剣が出てきた。それが「草薙の剣」だ。草薙の剣は「三種の神器」になり、日本武尊が東征の時に持って出る。日本武尊の死後、草薙の剣は熱田神宮(名古屋)のご神体になっている。

 こうして各国の一宮をめぐりながら、それぞれの神社の祭神を見ていくのは、じつにおもしろいことだ。

旧山陽道で岡山県から広島県に入る。ここは備中と備後の国境備後の一宮の素盞嗚神社に到着素盞嗚神社前の道。水路が流れている

旧山陽道で岡山県から広島県に入る。ここは備中と備後の国境 備後の一宮の素盞嗚神社に到着 素盞嗚神社前の道。水路が流れている

素盞嗚神社入口に置かれた百度石素盞嗚神社の鳥居素盞嗚神社の神門

素盞嗚神社入口に置かれた百度石 素盞嗚神社の鳥居 素盞嗚神社の神門

素盞嗚神社の舞殿素盞嗚神社の拝殿素盞嗚神社の本殿

素盞嗚神社の舞殿 素盞嗚神社の拝殿 素盞嗚神社の本殿

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