ジクサー150分割日本一周[54]
投稿日:2020年7月28日
筑前の一宮「筥崎宮」
2017年4月21日。門司港の「ルートイン」の朝食を食べると、7時30分に出発。反時計回りでの「九州一周」を開始する。
前回の「中国一周」と同じように、その間では九州の旧国の一宮をめぐる。旧国に徹底的にこだわるカソリなのだ。
九州は筑前、筑後、豊前、豊後、肥前、肥後、日向、薩摩、大隅の9国から成っている。それで九州なのだが、じつはもう2国、壱岐と対馬の島国がある。
九州の旧国は全部で11国になるので、ほんとうは「十一州」とか「十一国」といわなくてはいけない。さもなければ北海道風に、七道の「西海道」というべきだ。
しかし、九州が定着している今、9を11には代えられない。「九州女の深情け」が「十一州女の深情け」になったら、何のことやらわからない。「十一州男児」も同様だ。ということで、ほんとうは十一州なのだが、九州ということにしておこう。
門司港から国道3号で北九州市の門司、小倉、八幡の町々を通っていく。小倉までは豊前で、八幡からは筑前になる。福岡県は豊前と筑前、筑後の3ヵ国から成っている。
遠賀川を渡り、宗像、古賀を通り、福岡へ。
福岡市に入ると、筑前の一宮、筥崎宮(はこざきぐう)を参拝する。入口のずんぐりむっくりした石の鳥居が印象的。これは「筥崎鳥居」といわれる独特の形状だ。
鹿島神宮の楼門、阿蘇神社の楼門とともに、「日本三大楼門」のひとつに数えられている筥崎宮の楼門には圧倒される。そこに掲げられた額の「敵国降伏」が目を引く。筥崎宮は敵国降伏の神なのだ。
敵国降伏というのは武力で相手国を降伏させるものではなく、徳の力でもって導き、相手国が自ら靡き、降伏するという我が国の王道を説いたものだという。
筥崎宮の祭神は応神(おうじん)天皇、神功(じんぐう)皇后、玉依姫(たまよりひめ)命の3神。応神天皇は百済から裁縫の技術を取り入れ、呉からは裁縫工を招き入れて、海外の文化を取り入れた。神功皇后は仲哀天皇の皇后で、応神天皇の母親になる。仲哀天皇の死後、「熊襲征伐」、「三韓征伐」を成しとげた。玉依姫命は海神の娘で、ウガヤフキアエズ尊の妃になり、日本初代の神武天皇を産んだ。こうして一宮の祭神を見ていくと、日本の神話時代がじつによくわかるのだ。