ジクサー150分割日本一周[55]
投稿日:2020年7月29日
筑前の一宮「住吉神社」
筑前の一宮、筥崎宮の参拝を終えると、国道3号で福岡の中心街に入っていく。筑前の一宮にはもう1社ある。博多駅近くの住吉神社だ。
福岡と博多がおもしろい。福岡は博多と福岡の2つの町を核にしている。
福岡の玄関口になる駅は、福岡駅ではなく博多駅。東の博多は古くからの港町として栄えてきた。博多津は安濃津(三重)、坊津(鹿児島)と並ぶ「日本の三津」といわれるような港だった。一方、西の福岡は福岡藩の城下町として発展した。
「福岡」の地名は日本各地にある。
二戸市(岩手)の中心は福岡。奥州街道の宿場は福岡宿だ。高岡市(富山)の福岡は、合併前は福岡町。能越道には福岡ICがある。岡崎市(愛知)の福岡は岡崎の中心街から南に行ったところ。瀬戸内市(岡山)の福岡は日本刀の名産地、長船にある。
福岡県の福岡は、そのうちの岡山県の福岡に由来している。長船の福岡は福岡藩の藩祖、黒田氏の出身地で、改名して福岡になった。
筑前の一宮の住吉神社に到着。ジクサー150を止めると、鳥居をくぐり、神門をくぐり抜けて参拝する。住吉造りの本殿は元和9年(1623年)、黒田長政によって再建と書かれた木札が立っている。
住吉神社の祭神は底筒男(そこつつお)神、中筒男(なかつつお)神、表筒男(うわつつお)神の住吉三神。住吉三神を祀る神社は日本中に2000社以上あるが、筑前の一宮の住吉神社が日本最初の住吉神社だという。
神宮皇后は「三韓征伐」で朝鮮半島に出兵する際、住吉三神の和魂(神の持つ優しさ)を自らの身体に、荒魂(神の持つ荒々しさ)を水軍の先鋒にして半島に渡ることができた。その荒魂を新羅に鎮め、壱岐にも住吉神社を創建し、長門の豊浦宮を拠点にしたときも住吉神社を創建し、さらに難波への進行でも住吉三神の守護により目的を達成できたとして、摂津に住吉大社を祀った。
住吉三神は昔から航海安全の神として篤く信仰されてきたが、今でもそれは変わらず、日本各地の港で「住吉丸」を見る。
住吉神社の西側を那珂川が流れているが、この川が博多と福岡の境になる。住吉神社は博多にある。