ジクサー150分割日本一周[99]
投稿日:2020年10月1日
桜島一周
大隅の一宮、鹿児島神宮の参拝を終えると、国道10号に戻り、霧島市の国分から国道220号で大隅半島に入っていく。亀割峠を越えて鹿児島湾沿いに走り、海越しに桜島を見る。
国道220号の桜島口から、国道224号で桜島に入っていく。今でこそ地つづきになった桜島だが、もともとは独立した島だった。それが大正3年(1914)の大爆発で大量の溶岩が流れ出し、大隅半島とつながった。その接合部が桜島口なのだ。
国道224号沿いの「有村溶岩展望所」から、流れ出した溶岩原越しに、噴煙を上げる桜島を見る。
有村溶岩展望所の案内板には、桜島の歴史がわかりやすく次のように書かれている。
シラス台地をつくった姶良カルデラの超巨大噴火の後、今から26000年前にカルデラの南部で新たな噴火がはじまりました。これが桜島誕生の瞬間です。このように桜島というのは、姶良カルデラの一部から生まれたカルデラの子供のような火山なのです。
桜島は約26000年前に誕生し、現在までに大規模な噴火を17回も繰り返しています。その中で最大の噴火は、今から13000年前の大噴火です。このときの噴火では、鹿児島市内で1m以上の火山灰が積もりました。
桜島の活動は、大きく2つの時期に分かれています。誕生から約5000年前までが北岳の活動、4500年前から現在までが南岳の活動です。北岳、南岳という2つの火山が南北に連なっているので、桜島は横長に見えるのです。
史料として残っている桜島の大噴火には、奈良時代の天平宝字噴火(764年)、戦国時代の文明噴火(1471年)、江戸時代の安永噴火(1779年)、大正時代の大正噴火(1914年)があります。このほかにも昭和噴火(1946年)がありますが、溶岩が流れるだけで、爆発的な噴火がなかったので、大噴火には含まれていません。
これらの大噴火には、おもしろい特徴があります。山の頂上ではなく、中腹で噴火していることです。また、その火口は山頂を挟んで対称に2ヶ所で噴火しています。これは、地下のマグマが割れ目をつくりながら板状に上昇したためだと考えられています。
有村溶岩展望所で噴煙を上げる桜島を見たあと、次に大正の大噴火で埋まってしまった烏島の埋没地を見る。ここは周囲500メートルほどの小島だった。それが埋まってしまうほどの大噴火。ここでも桜島の持つ膨大なエネルギーを見せつけられた。
国道224号の道の駅「桜島」で「かんぱち丼」を食べ、桜島フェリーの乗り場からは県道26号を行く。海岸には桜島が爆発したときに退避するための退避港が何ヵ所かにもできている。黒神では黒神川越しに桜島を見たあと、大正の大噴火で高さ3メートルの鳥居が埋まった「黒神埋没鳥居」を見る。
「黒神埋没鳥居」の案内板には、次のように書かれている。
この火山灰に埋もれた鳥居を見れば、説明がなくても桜島の大噴火のすさまじさを実感できるというものだ。桜島の噴火と闘いつづける桜島の島民へのエールを送りたくなるような「黒神埋没鳥居」。ここを最後に桜島口に戻ったが、国道224号→県道26号での「桜島一周」は40キロだった。
桜島フェリーの乗り場 | 桜島の退避港 | 桜島一周の県道26号を行く |
黒神川越しに見る桜島 | ここは「黒神埋没鳥居」 | 「黒神埋没鳥居」の案内板 |
「黒神埋没鳥居」の入口 | 火山灰にすっぽりと埋もれた「黒神埋没鳥居」 | 国道220号から見る桜島 |