カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

ジクサー150分割日本一周[221]

投稿日:2021年6月19日

北海道一周編 39(2020年4月14日)

日本本土最東端の納沙布岬

根室に到着。JR根室本線終点の根室駅

根室に到着。JR根室本線終点の根室駅

根室の清隆寺

根室の清隆寺

 国道44号で根室に到着。JR根室本線の終点、根室駅前でジクサー150を止めた。「いや〜、根室だ!」

 といった達成感を感じる根室到着だ。

 根室駅近くの清隆寺に行く。寺の境内には、花の季節にはまだ遠い「千島桜」があるが、千島桜は北海道遺産になっている。

「清隆寺の千島桜記念保護樹木」の案内板には、次のように書かれている。

 この木は明治初期に国後島から移植されたもので、樹齢は100年以上と推定されています。千島桜というのは植物学者の宮部金吾博士の命名によるもので、択捉桜とか国後桜とも呼ばれています。千島桜は本州中部以北や北海道の高山、樺太、千島に分布する小高木ですが、この木は樹高3メートルあまりもあり、千島桜としては大きなものです。5月中旬ごろから美しい花を咲かせ、市民の目を楽しませています。

清隆寺の千島桜。千島桜は北海道遺産清隆寺の本堂根室から道道35号で納沙布岬へ

清隆寺の千島桜。千島桜は北海道遺産 清隆寺の本堂 根室から道道35号で納沙布岬へ

日本本土最東端の納沙布岬に到達!

日本本土最東端の納沙布岬に到達!

納沙布岬の灯台

納沙布岬の灯台

珸瑤瑁水道越しに北方領土の島々を見る

珸瑤瑁水道越しに北方領土の島々を見る

 根室からは、道道35号で根室半島に入っていく。歯舞(はぼまい)漁港を通り、日本最東端の郵便局、珸瑤瑁(ごようまい)郵便局の前を通り、日本本土最東端の納沙布岬に到達。根室から22キロだ。

「本土最東端 納沙布岬」の木標の前で、ジクサー150を止めた。

 つづいて明治5年(1872年)初点灯の北海道最古の灯台、納沙布灯台へ。ここには霧信号、無線方位信号所が設置されている。このあたりは海霧の多発地帯で、とくに6月から8月にかけては60日を超えるほどだという。納沙布岬は「海霧の岬」なのだ。

 灯台の下は岩礁地帯。太平洋とオホーツク海を結ぶ珸瑤瑁水道の水平線上には、北方領土の島々が浮かんでいる。

 一番右には秋勇留(あきゆり)島が見える。目を左側に移していくと、手前にある萌茂尻(もえしり)島が重なって見え、その左手には勇留(ゆり)島が霞んで見えている。

 納沙布岬からわずか3・7キロ地点の貝殻(かいがら)島はケシ粒のような小さい島だが、北海の波風にさらされてコンクリートがはげ落ち、ボロボロになって傾いている灯台が見える。その左手には志発(しぼ)島。目をこらしてやっと見える距離で、案内板によると25・5キロ、離れている。そして水晶島へとつづく。まっ平な島で、水平線上にべたっと寝そべるようにして横たわっている。

 ところで納沙布岬は日本本土の最東端だが、日本の最東端というと、東経153度58分の南鳥島(旧マーカス島)になる。ミクロネシアに近い太平洋の孤島で、東京都の小笠原村に属している。日本は広いのだ。

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