カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

ジクサー150分割日本一周[292]

投稿日:2022年4月14日

中部一周前編 4(2020年5月20日)

駿河の国府めぐり

国道1号の箱根峠

国道1号の箱根峠

箱根峠から沼津へ

箱根峠から沼津へ

沼津漁港

沼津漁港

「伊豆編」につづいての「駿河編」。午前5時に伊勢原を出発し、ジクサー150を走らせる。
 小田原から国道1号(東海道)で箱根峠を越えて静岡県に入った。前日の「伊豆編」の逆コースだ。三島では旧東海道を走り、伊豆一宮の三嶋大社の前を通り、伊豆と駿河国境の境川を渡った。三島から沼津までは町つづきだが、三島は伊豆、沼津は駿河になる。

 沼津では早朝の沼津漁港に行き、魚市場前の食堂で朝食。「アジづくし定食」を食べた。沼津のアジの干物はうまい。

 沼津から国道1号を走り、富士からは国道139号で富士宮へ。駿河一宮の浅間大社を参拝。楼門には誇らしげに「冨士山本宮」の扁額がかかっている。

 浅間大社の境内には湧玉池があるが、この池は富士山の湧水池。案内板によると毎秒3・6キロリットルの湧水が湧き出ているという。湧玉池は神田川となって流れ出ていく。

沼津漁港の魚市場前の食堂で朝食。「あじづくし定食」を食べる駿河一宮の浅間大社に到着浅間大社の大鳥居

沼津漁港の魚市場前の食堂で朝食。「あじづくし定食」を食べる 駿河一宮の浅間大社に到着 浅間大社の大鳥居

浅間大社の案内図浅間大社の楼門浅間大社の拝殿

浅間大社の案内図 浅間大社の楼門 浅間大社の拝殿

浅間大社の本殿浅間大社の湧玉池湧玉池は神田川となって流れ出ていく

浅間大社の本殿 浅間大社の湧玉池 湧玉池は神田川となって流れ出ていく

東海道由比宿の「由比本陣公園」

東海道由比宿の「由比本陣公園」

由比宿の「正雪紺屋」

由比宿の「正雪紺屋」

由比宿の「開花亭」で昼食。「桜えび御前」を食べる

由比宿の「開花亭」で昼食。「桜えび御前」を食べる

旧東海道のさった峠からの眺め

旧東海道のさった峠からの眺め

 富士宮から富士に戻ると東海道を行く。富士川を渡り、蒲原宿から由比宿と宿場をめぐった。

 由比宿では本陣跡の「本陣公園」を歩き、公園内の「東海道由比宿交流館」と「東海道廣重美術館」を見学する。「本陣公園」の前には染物店の「正雪紺屋」があるが、ここは由比正雪の生家。由比正雪といえば江戸初期の「慶安の乱」の首謀者として知られている。

 由比宿の宿場めぐりを終えたところで食事処「開花亭」で昼食にする。由比といえば「桜えび」なので、「桜えび御膳」を食べた。桜えびの「かき揚げ丼」に桜えびの3点セット、生桜えび、ゆで桜えび、桜えびの佃煮がついている。

 由比の桜えびを堪能したところで、東海道の旧道でさった峠を越える。写真は展望台から見下ろした眺めだが、手前が国道1号、海側の高架が東名で、ここでは旧東海道と東海道の国道1号、新東海道の東名と、3本の東海道が交差している。

 さった峠を越えると東海道の興津宿に下っていく。次の江尻宿(清水)を過ぎると府中宿(静岡)。府中といえば国府。静岡は駿河の国府で、「駿府」ともいわれる。城は駿府城だ。

静岡に到着。ここは東海道の府中宿

静岡に到着。ここは東海道の府中宿

まずは浅間神社へ

まずは浅間神社へ

浅間神社の境内案内図

浅間神社の境内案内図

浅間神社・神部神社の楼門

浅間神社・神部神社の楼門

浅間神社・神部神社の楼門にかかる扁額

浅間神社・神部神社の楼門にかかる扁額

浅間神社・神部神社の舞殿

浅間神社・神部神社の舞殿

浅間神社・神部神社の拝殿

浅間神社・神部神社の拝殿

 静岡に到着すると、JR静岡駅前から梅ヶ島に通じる県道27号を2キロほど行ったところにある浅間神社へ。そこから「駿河の国府めぐり」を開始する。

 浅間神社は静岡のシンボル的な存在だが、読みは「あさま」になる。駿河一宮の浅間大社は「せんげん」。ちなみに甲斐一宮の浅間神社は「あさま」。須走の富士山東口本宮の浅間神社と富士吉田の富士山北口本宮の浅間神社は「せんげん」だ。

 静岡の浅間神社の楼門には「冨士新宮」と「當國總社」と書かれた扁額が掲げられている。冨士新宮は冨士本宮の浅間大社に対しての浅間神社のことで、當國總社というのは駿河総社の神部神社のことである。浅間神社は浅間神社と神部神社の2社から成っている。総門、楼門、舞殿、拝殿、本殿のすべてが2社のもの。拝殿の奥に見える本殿は右側が神部神社、左側が浅間神社になっている。

 浅間神社の境内には浅間神社、神部神社のほかに大歳御祖神社、少彦名神社、麓山神社、八千戈神社、玉鉾神社があるが、これらの7社の「七社参り」をした。

 浅間神社の裏山は賎機山(171m)だが、静岡の地名はこの賎機(しずはた)山に由来している。明治維新に静岡になったのだが、駿府でも府中でもない静岡というわけのわからない地名に、東海道府中宿の人たちはさぞかし戸惑い、怒ったことだろう。賤岡(しずおか)にならないだけまだよかった。賤岡だと「いやしい岡」になってしまう。

「七社参り」を終えると、浅間神社の鳥居前の長谷通りを行く。長谷通りと静岡高校の間に現行の駿河国分寺がある。見つけるのが難しいほどの小さな寺だ。駿府城にも近いこのあたりの長谷町に駿河国府は置かれたようだ。静岡は昔も今も駿河の中心地なのである。

 次に国分尼寺の後継の菩提樹院へ。国道1号を清水方向に走り、県道74号を左折し、静岡鉄道の踏切を渡って左折した新しい寺町にある。菩提樹院の境内には由比正雪の首塚があった。

 最後は駿河国分寺跡だ。県道74号を南下し、東名高速の高架下を過ぎたところで左折すると「片山廃寺跡」があるが、ここが駿河国分寺跡。ジクサー150を止めると、礎石の残る駿河国分寺跡を歩いた。駿河国分寺跡は東名高速の高架下までつづいている。

 こうして「駿河の国府めぐり」を終えると県道74号→国道150号で静岡ICへ。

 静岡ICから東名で帰路についたが、次の日本平久能山ICを過ぎたところで、駿河国分寺跡の真上を通過する。ジクサー150に乗りながら、ちょっと感慨無量の気分になるのだった。

浅間神社境内の大歳御祖神社浅間神社境内の八千戈神社浅間神社から長谷通りを行く

浅間神社境内の大歳御祖神社 浅間神社境内の八千戈神社 浅間神社から長谷通りを行く

現行の駿河国分寺駿府城の石垣駿河国分尼寺後継の菩提樹院

現行の駿河国分寺 駿府城の石垣 駿河国分尼寺後継の菩提樹院

菩提樹院にある由比正雪の首塚片山廃寺跡の案内板東名高速下の駿河国分寺跡

菩提樹院にある由比正雪の首塚 片山廃寺跡の案内板 東名高速下の駿河国分寺跡

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