第40回 津房林道
投稿日:2011年2月5日
2010年 林道日本一周・西日本編
照葉樹の生い茂る大隅半島
鹿児島県の志布志から国道448号で大隅半島に入っていく。交通量はぐっと少なくなり、気分よくスズキDR-Z400Sを走らせる。
大隅半島は九州でも屈指の林道天国。豊かな照葉樹の茂る山中を何本もの林道が走っている。ロングダートが何本もあり、あまり制限もなく、比較的自由に走れるのが大隅半島の大きな特徴だ。
大隅半島とよく比較されるのが薩摩半島だが、薩摩半島は半島全体がまんべんなく開発されて、これといった林道はない。
鹿児島県は大隅と薩摩の2国から成っているが、大隅の大隅半島と薩摩の薩摩半島はきわめて対照的だ。
ところで「照葉樹」だが、照葉樹というのは常緑の広葉樹の総称。カシやシイ、クスノキ、タブノキなどが代表的な樹木。かつては西日本一帯は照葉樹に広く覆われていたが、乱伐でその姿をほとんど消してしまい、いまではごくわずかなエリアに残っている程度。その中にあって大隅半島は日本でも最大級の照葉樹林地帯になっている。
大隅半島東岸の中心地、内之浦(肝属町)に着くと、まずは温泉。
「林道前」の温泉だ。
国民宿舎「コスモピア内之浦」内にある内之浦温泉「かなえの湯」(入浴料300円)に入る。ここの入浴時間は6時〜22時。ほぼ1日中入れるのがすごくいい。ほかには入浴客もいなかったので、大浴場の湯にはゆったりまったり気分で入れた。
「かなえの湯」から上がると、すぐ近くの「すしよし亭」で幕の内弁当を買う。それを持って海岸で食べたが、これがよかった。コンビニ弁当とは違うできたてのほっかほっか弁当で、いや〜うまかった。
内之浦からは国道448号を志布志方向に戻り、日平林道に入っていく。内之浦から8キロの地点が林道入口。舗装林道の日平林道で1・5キロ走ったところが津房林道との分岐点になる。そこを左折し、津房林道に入っていく。
(なお日平林道だが、この先は実際に走っていないので途中で行止まりになるのか、それとも抜けているのかはわからない。『ツーリングマップル・九州沖縄』では行止まりになっている)。
分岐点から0・1キロでダートに突入。津房林道の路面は比較的よく整備されていて走りやすい。まわりはうっそうと茂る照葉樹林。昼なお暗い照葉樹の林道を行く。6・5キロ地点の分岐は左へ。その分岐を過ぎると若干、ラフな路面に変り、峰越連絡林道との分岐点に出る。ダート10・3キロの津房林道だ。
大隅半島第1本目の林道がロングダートなので、
「おー、さすが大隅半島!」
と、うれしくなってしまう。
峰越連絡林道との分岐点は左へ。
山中を抜け出たところが津房の集落。津房からはいったん、内之浦の町に戻った。
まずは「大隅半島・林道走破行」の肩ならしといったところで、走行距離34キロの「内之浦→内之浦」だった。