第71回 黒河マキノ林道
投稿日:2011年3月19日
2010年 林道日本一周・西日本編
10.6kmのロングダートで関西編を締めくくる
みかた温泉「きららの湯」を出発。国道27号を敦賀方向に行き、JR小浜線の美浜駅を過ぎたところで右折し、県道213号に入っていく。両側には山々が迫り、新庄の里へ。スズキDR-Z400Sを走らせ、最奥の集落、松屋に向かっていく。正面には福井・滋賀県境にそびえる赤坂山(823m)、大谷山(813m)、大御影山(950m)の3山がそびえている。
松屋から粟柄河内谷林道に入っていく。福井・滋賀県境の峠、近江坂を越える林道だ。福井県側が粟柄林道、滋賀県側が河内谷林道になる。おおいに期待して走りはじめたが、林道入口から0・5キロ地点で通行止め。残念…。来た道を引き返し、国道27号に戻った。
国道27号で敦賀へ。新道は旗護山を貫く長大なトンネルを抜けていくが、旧道の県道225号で若狭・越前国境の関峠を越えた。峠道のすぐ脇をJRの小浜線が通っている。峠には石仏がまつられていた。
関峠を下り、敦賀の市街地に入ったところで右折し、県道211号を行く。黒河川沿いの道で、そのまま黒河林道のダートに入っていく。雨が激しくなってくる。雨に打たれた木々の新緑はより色鮮やかに見える。8・3キロのダートを走り切ると、福井・滋賀県境の黒河峠に着く。中央分水嶺の峠だ。
黒河峠を越えた滋賀県側はマキノ林道になる。マキノ林道のダート区間は2・3キロ。黒河マキノ林道のダート距離は10・6キロになる。この林道が「関西・北近畿編」の最後の林道になるが、それをロングダートで締められてよかった。
峠が連なる中央分水嶺「高島トレール」
舗装路に出た地点には東屋とトイレがあり、そこの中央分水嶺の「高島トレール」の案内図には目がいった。
高島トレールというのは国道161号の滋賀・福井県境の愛発越(あらちごえ、山中峠)が始点で、滋賀県北部の中央分水嶺を行くルート。終点は近江・山城・丹波3国国境の三国岳(959m)を下った桑原になる。この桑原というのは小入谷林道の入口、小入谷に向かう時に通った県道781号沿いの集落だ。
高島トレール上にはそのほか、近江・越前・若狭3国国境の三国山(676m)、近江・丹波・若狭3国国境の三国岳(775m)がある。さらにいえば、これは高島トレールからは外れるが近江・美濃・越前3国国境の中央分水嶺の山が三国岳(1209m)で、さらにもうひとつ、鈴鹿山脈の近江・美濃・伊勢3国国境の山も三国岳(894m)である。まわりを山々に囲まれた「湖国」の近江には、何山もの三国山(三国岳)がある。
高島トレールの案内図で「峠のカソリ」を痛く刺激したのは、その中央分水嶺上に何峠もの峠名があることだ。
愛発越、黒河峠、粟柄越、近江坂、水坂峠、桜峠、搦谷越、横谷峠、駒ヶ越、池河内越、木地山峠、根来峠、おにゅう峠、ナベクボ峠、三国峠、地蔵峠、岩谷峠と17峠も案内図にはのっていた。
ロングダートの黒河マキノ林道を走り切り、マキノ白谷温泉「八王子荘」(入浴料500円)の湯に入る。大浴場と露天風呂。ザーザー降りの雨に降られたので、温泉が何ともありがたい。湯から上がると、ふたたび雨中を走り出したが、またしばらくは我慢できるというものだ。
国道161号に出、滋賀・福井県境の山中峠(愛発越)を越える。ここがさきほどの中央分水嶺の「高島トレール」の始点だ。
山中峠を越え、福井県側に下っていくと雨は小降りになった。長い峠道を下っていくと国道8号との分岐点の疋田に出る。そのあたりが愛発(あらち)。
愛発といえば鈴鹿、不破と並ぶ日本の「古代三関」で知られているが、愛発関址がどのあたりにあったのかは、いまだに確認されていない。
「日本一周・関西北近畿編」のゴール、敦賀の市街地に入っていく。「日本三大松原」のひとつ、気比の松原を走り、越前の一の宮、気比神宮を参拝。ここは北陸道の総鎮守。境内には芭蕉像も建っている。これにて「林道日本一周・関西編」終了!
より大きな地図で 林道日本一周 を表示