第83回 高嶺林道・黒河内林道
投稿日:2011年4月3日
2010年 林道日本一周・西日本編
ロングダートを走りきり、日本橋のゴールへ
中山道の「下諏訪宿探訪」を終えると、下諏訪からは国道20号で中央本線の上諏訪駅前を通り、茅野の市街地をバイパスで走り抜ける。前方には八ヶ岳の峰々が大きく見えてくる。
中央本線の青柳駅前でスズキDR-Z400Sを停め、自販機のカンコーヒーを飲んで小休止。ここから金沢林道→高嶺林道→黒川内林道→入笠山林道と4本の林道を走りつないでいくのだ。
「さー、行くぞ!」
青柳駅前で国道20号を右折し、集落を抜けたところが金沢林道の入口。国道20号から0・8キロの地点。だが林道入口からは舗装路がつづいた。
「いやー、全線が舗装か…」
と諦めかけたころ、林道入口から3・5キロ地点でダートに突入。よかった!
そこから1・9キロ地点でT字路にぶつかるが、そこは左へ。戦国大名の武田氏の金鶏金山跡を通り、標高1450メートルの芝平(しびら)峠に到達。金沢林道のダートは5・1キロだ。
峠が交差点になっている芝平峠からは舗装路を北へ。2キロほど走ったところで高嶺林道に入っていく。林道入口からダートなのがうれしい。林道の脇には鹿の侵入防止のネットが張られている。
展望ポイントでDRを停めたが、その地点からは「日本アルプスの大展望台」で知られる入笠山(1955m)が正面に見える。その地点を過ぎると、残雪の南アルプスの山々が前方に見えてくる。
15・8キロのロングダート、高嶺林道を走り切ると、小豆坂トンネル口の脇に出る。そこから舗装路を下り、国道152号にぶつかったところで左折。そして高遠へ。
城下町の高遠に到着だ。まずは高遠温泉「さくらの湯」(入浴料600円)に入り、坂を登って高遠城跡を歩く。桜の季節は押すな押すなの大変な人混みになる高遠城跡も、まるで花見の光景が幻でもあるかのように、まったく人影はなかった。
高遠から国道152号を南下し、三峰(みぶ)川沿いに走る。
美和ダムの美和湖を過ぎたところで国道152号を左折し、南アルプス登山の拠点になっている「仙流荘」前を通り、黒河内林道に向かっていく。南アルプス林道(一般車両は通行禁止)が分岐する戸台大橋では、橋を渡らずにそのまま直進し、そこから1・6キロ地点でダートに突入。小黒川の渓流に沿って登っていく。
路面の状態は良好で走りやすいが、ところどころ砂利が深いので要注意。この林道に敷詰められた砂利はバイクにとっては曲者。気を抜いて走っていると、ステーン…と転倒しかねない。
渓流沿いのルートを登り、入笠高原に入っていく。やがてゲート。それは入笠牧場のもので、自分でゲートを開け、通り抜けたところで自分でゲートを閉める。もう1ヵ所、同じようなゲートがあり、そこを抜けると舗装路に出る。ダート14・1キロの黒河内林道だ。
入笠山の山頂直下がこのルートの峠になっている。そこには茶屋がある。もし時間があれば、バイクを置いて、入笠山に登ったらいい。1時間たらずで登れる。山頂からの日本アルプスの大展望は目に焼きついて離れないほど鮮烈だ。入笠山は赤石山脈(南アルプス)最北端の山になっている。それだけに中央アルプスや北アルプスがよく見える。
入笠山の山頂直下から舗装路を走り、最後に入笠山林道のダートに突入。2・5キロの短いダートを走り抜け、舗装路に出ると、さきほどの芝平峠。再度、金沢林道を走り、国道20号の青柳駅前に出た。
青柳駅前からは国道20号で富士見峠を越え、道の駅「信州蔦木宿」にある蔦木温泉「つたの湯」(入浴料600円)に入る。道の駅はけっこうな人出だが、「つたの湯」はガラガラで大浴場と露天風呂の湯にはゆったり入れた。無色透明の湯は有味無臭。湯上りの信州そば(680円)がたまらない。入浴と食事のセット券を買ったが、1000円なので割安だ。
ここを最後に長野県から山梨県に入り、小淵沢ICから中央道→首都高で東京・日本橋へ。
日本橋に到着したのは2010年5月29日18時。これにて「林道日本一周・西日本編」終了。「東京→鹿児島→東京」の全行程は6762キロ。その間では全部で95本の林道を走り、ダート距離の合計は640・6キロになった。
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今回のエリア:昭文社ツーリングマップル関東甲信越 35あたり