カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

5月18日(10)雄勝→釜谷

投稿日:2011年6月24日

頑張ってるぞ!東北!! ツーリング[鵜ノ子岬→尻屋崎 31]2011年5月18日

 雄勝から国道398号で釜谷峠(トンネル)を越え、北上川へと下っていく。そのあたりは河口から5キロほどの地点だが、北上川流域は大きな被害を受けていた。北上川を遡った大津波はすさまじいばかりの破壊力で、右岸の釜谷の集落を飲み込み、釜谷の家並みはきれいさっぱりと消え去っていた。108人の生徒のうち、80人近くが亡くなった大川小学校もここにある。
 県道238号(雄勝半島一周のルートだが途中で分断されている)は通行止で入っていけなかったが、北上川にかかる新北上大橋のたもとには花が供えられ、飲み物が置かれていた。当時、学校にいた先生11人のうち10人も亡くなっている。歴史的な悲劇だ。
 大地震後、校庭に集められた大川小学校の生徒たちは、ここ新北上大橋のたもとまで避難しようとしたのだが、たどり着けずに大津波に飲み込まれてしまった…。
 国道398号の新北上大橋は大津波で橋全体が冠水したが、落下することなく残った。だが、相当のダメージで橋の修復工事がつづけられていた。国道398号は新北上大橋から志津川(南三陸町)の手前、国道45号に合流するまでの区間が通行止になっている。
 新北上大橋の通行止地点から北上川右岸の県道30号で国道45号に出、道の駅「上品の郷」でビッグボーイを停めた。

国道398号の釜谷峠のトンネル
国道398号は新北上大橋の手前で通行止


北上川右岸の釜谷の集落は消え去り、大川小学校などの建物がわずかに残っている。川原にガレキが集められ、そのうち大量の木材が大型機械でチップ状に処理されている
亡くなった大川小学校の生徒たちに供えられた花束や飲み物


北上川右岸を走る県道30号の仮設道路
災害復興支援の自衛隊の車両基地


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