5月19日(18)宮古湾
投稿日:2011年7月23日
山田からはゆるやかな峠を越え、宮古湾へと下っていく。宮古湾岸の温泉施設、「マース」は激しくやられ、再開は不可能のように見えた。ここの湯には何度も入り、泊まったこともあるので無惨な姿を目の当たりにすると、無性に寂しい気持ちに襲われた。
大津波に激しくやられた玄関前にビッグボーイを停めると、営業していたころの「マース」が目に浮かび、温泉にやって来た人たちの弾んだ声が聞こえてくるようだった。
国道45号で宮古の中心街に入っていく。
今回の大震災で一番の衝撃的な映像というと、ぼくにとっては宮古を襲った大津波のシーンだ。大川はあっというまにあふれ、あふれ出た膨大な水は滝となって道路に流れ落ち、走っている車を一瞬にして飲み込んだ。漁船が大川を木の葉のように流れ、大橋に激突した。その映像が目に焼きついて離れないのだ。
宮古まで来て、その映像の場所を特定することができた。
大川は宮古の中心街を流れる閉伊川で、大橋は国道45号の宮古大橋。滝のようにあふれ出た膨大な水に飲み込まれた道は国道106号。その映像は川岸の宮古市役所の屋上から撮られたものだった。
国道45号は宮古大橋で閉伊川を渡るとT字路にぶつかり右折。すぐに国道107号との分岐点に出る。国道106号は分岐点を右折し、宮古市役所前を通り、高架の国道45号の下をくぐり抜けていくという構造になっている。
宮古の中心街は思ったほどの被害はなかったが、港周辺は壊滅的にやられていた。警視庁の警官が2人で1組になってガレキと化した町跡で遺体の捜索をしていた。宮古湾口の龍神まで行ってみたが、周囲が激しくやられた中で、しっかりと赤い橋と鳥居、「八大龍神」の石碑が残っていた。