5月20日(6)三沢〜下北半島
投稿日:2011年9月11日
八戸からは国道45号→国道338号で下北半島に向かっていく。
下北半島入口の三沢では国道を右折し、漁港に行った。ここでも7メートルの大津波に襲われたとのことで漁業施設には大きな被害が出ていたが、海岸からかなり離れている三沢の市街地は無傷。三沢を過ぎると、大津波による被害はほとんど見られなくなった。
小川原湖が海に流れ出るあたりには「ラムサール条約湿地」に登録されている仏沼がある。海岸から2キロほどの距離。海岸の松林はなぎ倒されていたが、仏沼にはまったく影響はなかった。
国道338号を北上し、灯台のある物見崎でビッグボーイを停め、南側の断崖絶壁を見下ろした。北側は白糠漁港。岬に守られたということもあるのだろうが、5メートルの津波が押し寄せた白糠漁港は無事だ。漁船も見た限りでは無傷で残った。ちょうど出漁していた漁船が港に戻ってくるところだった。
国道338号をさらに北上する。
東北電力の東通原発の入口でビッグボーイを停めると、すかさず警備会社のパトロールカーがやってきて、
「何してるんだ!」
と強い口調でいわれた。
「バイクを停めただけですよ、何が悪いんですか。別にゲートをくぐって中に入ったわけではないでしょ」
と強い口調でいい返すカソリ。
パトロールカーの警備員はすぐにどこかに電話連絡をしたが、きっとめんどうなことになるのを恐れたのだろう、急に低姿勢になって、
「どうぞ気をつけて」
といい残して去っていった。
東電福島第1原発の爆発事故以降、日本各地の原発はピリピリしている。
東北電力の東通原発の隣は東電の東通原発1号機の建設予定地。本社(本店)のある東京からはるか北の地で、まるでそれを隠すかのように原発をつくっている。
東電の東通1号機の建設工事はすでに始まっているが、原発事故直後、工事を中止するといった。しかし県道沿いには「工事中」の看板がかかり、その周辺では工事再開に向けて着々と準備しているかのように見えた。
これからの日本の原子力政策を見る上で、「東通」はきわめて重要だ。
ここでは東北電力の2号機の建設も予定されいる。それが予定通りに進められ、さらにいったんは工事を中止するとした東電の東通原発1号機の工事が再開されるようだと、日本の原子力政策は「脱原発」でないことがバレてしまう。
今回の東電福島第1原発の爆発事故がなければ、東通は柏崎刈羽を上回るような、世界でも最大級の原子力発電所になるはずだった。
みなさん「東通」に目を向けよう。「東通」がどうなるか、しっかりと見つづけよう。それは東電の福島第1原発の爆発事故で、これだけ痛めつけられた日本人の義務というもの。我々はこの痛みを決して忘れてはいけない。