環日本海ツーリング[55]
投稿日:2012年4月26日
東北の大名たちも往来した金山峠を越えて
羽州街道の山形・宮城県境の金山峠を越え、宮城県側に入ったところには、「鏡清水」と呼ばれる湧き水がある。壷のような岩から湧き出る清水で、ここが白石川の源になっている。スズキのビッグボーイを停めると、「鏡清水」を手ですくって飲んだ。
江戸時代の参勤交代では地元の上山藩をはじめ、山形県内の山形藩、天童藩、長瀞藩、新庄藩、庄内藩、松山藩、秋田県内の矢島藩、本荘藩、亀田藩、久保田藩、青森県内の津軽藩、黒石藩と全部で13藩の大名行列が金山峠を越え、羽州街道→奥州街道で江戸に向かっていった。
そのとき大名行列の姫がこの峠の清水を鏡がわりに使ったので「鏡清水」と呼ばれるようになったのだという。
金山峠を下ると国道113号に合流するが、宮城県内の羽州街道は「七ヶ宿街道」といわれている。湯原宿に始まり、峠田宿、滑津宿、関宿、渡瀬宿、下戸沢宿、上戸沢宿と7つの宿場がつづくからだ。
白石川に沿ったそれらの7宿をひとつづつめぐった。
滑津宿では白石川の「滑津大滝」を見、老舗のそば店「吉野家」で「もりそば」(700円)を食べた。次の関宿は七ヶ宿町の中心で、ここに町役場がある。次の渡瀬宿は白石川をせき止めた七ヶ宿ダムの七ヶ宿湖の湖底に沈んだ。下戸沢宿と上戸沢宿の2宿は国道113号と分かれた県道46号沿いにある。
これら七ヶ宿街道の7宿を過ぎると宮城・山形県境の小坂峠に到着。ここには峠の茶屋があるが残念ながら店は閉まっていた。峠にビッグボーイを停めると、赤い鳥居が立ち並ぶ参道を歩き、万歳稲荷神社を参拝した。
小坂峠を越えて福島県に入る。峠下の小坂宿を過ぎ、桑折宿の追分へ。ここで奥州街道と合流。羽州街道は青森の油川宿から桑折宿まで60宿の街道だ。
「油川宿→桑折宿」の羽州街道を走り終えると、福島飯坂ICで東北道に入り、磐越道経由でいわきへ。いわき市内をまわったあといわき勿来ICで常磐道に入り東京に戻った。
往路が奥州街道編、復路が羽州街道編の「東北一周」が終った。