カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

環日本海ツーリング[83]

投稿日:2012年6月4日

アムール川を下る、大きな夢に想いを馳せる

 アムール川流域の町、リドガでは、ハバロフスクとコムソモリスク・ナ・アムーレを結ぶ街道沿いの「スラブヤンカ・モーテル」に泊まった。ここには宿泊施設のみならず、レストランもある。
 ハバロフスクとコムソモリスク・ナ・アムーレの中間地点にあるリドガなので、次々に長距離バスがやってきては停まる。乗客たちはここで食事をしたり、コーヒーを飲んだりする。

リドガの「スラブヤンカ・モーテル」
何台もの長距離バスが停まっている


 道標ではリドガからハバロフスクまでは214キロ、コムソモリスク・ナ・アムーレまでは184キロとあった。
 モンゴル高原の源流からタタール海峡の河口まで、アムール川沿いにバイクで走るのは、ぼくの大きな夢だ。
 ロードマップを見ると、コムソモリスク・ナ・アレーナからさらに500キロほど下流の町、ボゴロドスコエまでは道がある。その先で道は途切れてしまうが、さらにアムール川の河口ではニコラエフスク・ナ・アムーレの町を中心にして道路が四方に延びている。
 世界の大河、アムール川は、ニコラエフスク・ナ・アムーレの町まで深く切れ込んだタタール海峡(間宮海峡)北端の海に流れ出ている。
 アムール川流域のボゴロドスコエからは、タタール海峡(間宮海峡)最狭部に面したラザレブまで道が通じている。対岸のサハリンまではわずか7・3キロ。ラザレブの海岸からは、きっとサハリンがはっきりと見えることだろう。
 今回、我々はリドガから南へ、ハバロフスクを目指すのだが、ぜひとも次回はここから北へ、アムール川の下流からさらに河口一帯をまわりたいと熱い気分で思った。
「スラブヤンカ・モーテル」のレストランで夕食。スープを飲んだあとのメインディッシュはカツレツ。スープにはロシア人の大好きなスメタナ(サワークリーム)が浮かんでいる。日本の「とんかつ」の原型といっていい「カツレツ」はロシアの代表的な料理のひとつになっている。
 その夜は辛かった。さんざん蚊にやられた…。

スメタナ(サワークリーム)の浮かぶスープ
ライスの添えられているカツレツ


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