アドレス日本巡礼[174]
投稿日:2014年11月3日
峠は移動する
碓氷峠を出発。国道18号の旧道で軽井沢に向かっていく。ゆるやかな下り坂で、正面には浅間山が大きく見えている。
JR軽井沢駅前で国道18号旧道を右折し、旧軽井沢に行く。ここが中山道第18番目の軽井沢宿。信州最初の宿場で、旧軽のお洒落な銀座通りが中山道ということになる。
軽井沢宿から旧碓氷峠まで行く。峠上の熊野神社は信濃・上野の国境をまたいで建っている。本殿の向かって右半分は上州、左半分は信州ということで、神社の祭りは上州と信州が仲良く共同でおこなっている。アドレスで走れるのはここまで。上州側は徒歩のみの険しい峠道になる。
熊野神社前の茶店「しげの屋」で碓氷峠名物の「峠の力餅」を食べながらカソリ、碓氷峠を考えてみた。
江戸時代の中山道の旧碓氷峠は明治になると南に移動し、国道18号旧道の越える碓氷峠になった。昭和46年に完成した碓氷バイパスはさらに南の入山峠を越えている。新碓氷峠といってもいいこの入山峠は、じつは中山道以前の東山道の越えた峠なのだ。一番古い碓氷峠が一番新しい碓氷峠になった。このあたりがじつに面白いではないか。
不動の山と違って峠は移動する。碓氷峠はその典型だ。山はいつの時代も山だが、峠は人が越えて初めて峠になるので、時代とともに越えやすい峠へと移り変わる。峠には栄枯盛衰がある。そんなことを考えながら「峠の力餅」を食べるのだった。