アドレス日本巡礼[182]
投稿日:2014年11月14日
美濃路のハイライト
大井宿から大湫宿、細久手宿を通って御嶽宿までというのは、中山道・美濃路のハイライトといっていい。この間はほとんど交通量のない細道で、いくつもの峠を越えていく。
大湫宿には古い家並みが残っている。脇本陣の「保々家」、旅籠の「三浦家」、問屋の「丸森森川家」は江戸時代からの建物。宿場の中心の神明神社には樹齢1300年の大杉が空を突いてそびえ立っている。
大湫宿と長久手宿の間では琵琶峠を越えるが、旧道は300年前の姿を今にとどめる石畳の峠道。その長さは600メートルで、日本一長い石畳だといわれている。弁天の祠のある弁財天の池、奥之田の一里塚を通り、細久手宿に近づくと、突如として爆音が轟いてきた。瑞浪モーターランドのコースを走るレース仕様の車。その音を聞いてハッと我に返り、江戸時代の中山道から現代にひき戻された。
「ちょうちん祭り」で知られる長久手宿にも、旅籠の「大黒屋」のように江戸時代以来の建物が残っている。大湫宿は安藤広重の「中山道69次」の絵では「大久手宿」になっているが、大湫宿、細久手宿の「くて」は湿地を意味するという。
細久手宿を過ぎると国道21号に合流し、御嶽宿へ。国道21号の南側の中山道沿いに風情のある宿場町がつづいている。ここでは中山道資料館の「中山道みたけ館」と公開されている商家「竹屋」を見学。「竹屋」は本陣の野呂家から分家し、金融業や繭や木材の取引で大成功をおさめた。そして名鉄広見線の終点、御嵩駅でアドレスを止めた。