アドレス日本巡礼[216]
投稿日:2015年1月9日
日本三名鐘
近江の一宮、建部大社の参拝を終えると、再度、瀬田の唐橋を渡り、JRの石山駅の脇を通り、大津の中心街に入っていく。京阪の浜大津駅の近くから「西国33番」第14番札所の三井寺(みいでら)へ。広く「三井寺」で知られているが、正式な寺名は園城寺(おんじょうじ)で、天台寺門宗の総本山になっている。
入母屋造檜皮葺の豪壮な造りの大門(仁王門)をくぐり、拝観料(500円)を払い、広い境内をめぐる。まずは国宝の金堂を参拝。本尊は弥勒菩薩。この金堂は桃山時代を代表する建物で、豊臣秀吉の正室、北政所によって慶長4年(1599年)に再建された。
次に「近江八景」の「三井晩鐘」で知られる鐘楼を見る。近江八景は三井晩鐘をはじめとして石山秋月、瀬田夕照や唐崎夜雨、樫田落雁、粟津晴嵐、矢橋帰帆、比良暮雪の琵琶湖南岸エリアの名勝八景。三井寺の鐘は宇治の平等院、京都の神護寺の鐘とともに「日本三名鐘」といわる伝説の鐘だ。
金堂近くの閼伽井屋(三井の霊泉)は天智・天武・持統天皇の産湯を汲んだ御井(三井)だとのことで、三井寺の名前の由来になっている。そのあと一切経蔵、三重塔、毘沙門堂と見てまわったが、これらはすべて重要文化財の建物。三井寺には国宝・重文がゴロゴロしている。そして最後に西国観音霊場の観音堂を参拝。三井寺の南端に位置している。本尊は如意輪観音で秘仏になっている。33年に1度、開扉されるという。
三井寺の参拝を終えると、京阪の浜大津駅前に戻り、旧東海道で逢坂山峠を越え、滋賀県から京都府に入った。ここまでの滋賀県内では第12番の岩間寺、第13番の石山寺、そして第14番の三井寺と3寺をめぐったが、第30番の宝厳寺、第31番の長命寺、第32番の観音正寺とまだまだ「近江編」の札所めぐりはつづく。