アドレス日本巡礼[237]
投稿日:2015年3月6日
摂河泉(せっかせん)
大阪の一宮めぐりの最後は河内の一宮の枚岡神社(ひらおかじんじゃ)。摂津・河内国境の大阪市と東大阪市の市境を越え、国道308号を一直線に東へ。生駒山地の山並みに向かってアドレスを走らせる。
大阪環状の国道170号の新道を横切り、旧道にぶつかる。そのまま国道308号をフォローして枚岡神社に到着。近鉄奈良線の枚岡駅近くにある。
摂津の一宮の住吉大社と和泉の一宮の大鳥大社は、大阪人ならば誰でも知っているような有名な神社だが、河内の一宮の枚岡神社はあまり知られていない。地元の人でも知らない人が多い。それだけに枚岡神社の参拝者は少なく、ひっそりして静まりかえっていた。
鳥居をくぐり、参道を歩く。境内は濃い緑で覆われている。これが一宮の魅力。こうして一歩、境内に入ると、押し寄せる大阪の都市化とは無縁の世界に変わる。清浄な空気が流れ、豊かな自然がそっくりそのまま残されている。静かなたたずまいの枚岡神社なので、自然の豊かさがその分だけより強く感じられる。一宮の空気を吸うと、もうそれだけで寿命が延びるかのようだ。
枚岡神社の境内は2万坪を超えるような広さ。生駒山地の山裾にあり、大阪平野、ここに尽きるというような場所。境内の豊かな自然をたっぷり味わったあと、「枚岡造」といわれる本殿を参拝。これで大阪府内の3ヵ所の一宮めぐりを終えた。
大阪府は「摂河泉(せっかせん)」といわれるように、摂津、河内、和泉の旧3国からなっている。こうして摂河泉の一宮をめぐると、旧国がじつによくわかってくる。これがぼくにとっての一宮めぐりの一番大きな目的。一宮は日本の全部の国にあるからだ。
日本という国は現在の47都道府県で見るよりも、68の旧国で見ていく方がはるかによくわかるし、よりおもしろくなる。都道府県の歴史はたかだか100年ちょっとだが、旧国の歴史は千何百年にもなる。日本人のDNAには旧国が色濃く染み込んでいる。それで旧国単位で日本を見ていくと、よりおもしろくなるのだ。