アドレス日本巡礼[264]
投稿日:2015年4月24日
舞鶴を西から東へ
「西国33ヵ所」第28番札所の成相寺の参拝を終えると、国道178号で丹後の中心地の宮津へ。ここは若狭湾の一番奥にある宮津湾の昔からの港町。日本海航路の千石船の寄港地として栄え、往時には47もの廻船問屋がこの地にひしめきあった。
宮津からは国道178号→175号で舞鶴へ。
舞鶴は西舞鶴と東舞鶴の2つの町に分かれているが、ともに若狭湾の奥深くに切れ込んだ舞鶴湾に面している。西と東は、もともと性格の異なる町だった。西は江戸時代以前からの城下町で、東は明治時代以降の軍港として発展した。そんな舞鶴を西から東へとアドレスで走り抜けていく。
ところで舞鶴の地名だが、城郭の形が鶴の舞う姿に似ているので舞鶴城と呼ばれるようになり、それが起源になったといわれている。それと、奥深くまで切れ込んだ舞鶴湾の形が鶴の両翼を広げたような格好をしているからだという「舞鶴説」もある。どちらの舞鶴説をとるにしても、舞鶴というのは日本人好みの、なんともきれいなイメージの地名であることには違いない。
舞鶴からは国道27号で小浜に向かっていく。京都・福井の府県境の吉坂峠を吉坂トンネルで抜けるが、この峠のトンネルの手前を左に折れたところに「西国33ヵ所」第29番札所の松尾寺(まつのおでら)がある。若狭富士の青葉山(693m)の中腹にある寺だ。
松尾寺に到着。110段の石段を登ったところには、江戸中期の建立の仁王門。さらに33段の石段を登ったところに2層の屋根の本堂がある。本尊は「西国33ヵ所」で唯一の馬頭観音像だ。松尾寺の参拝を終えると、名物の「やき餅」(500円)を食べた。
松尾寺を後にすると、国道27号の吉坂トンネルを抜けて福井県に入り、若狭湾の海岸に出たところで、若狭富士の青葉山を眺めた。「若狭富士」といわれるように、青葉山は丹後側よりも若狭側から見る方がはるかにきれいに見える山だ。