アドレス日本巡礼[298]
投稿日:2015年7月1日
満願達成
垂井の「すき家」で朝食を食べると、アドレスを走らせ県道53号→国道417号→国道303号→県道251号で谷汲へ。谷汲到着は9時。ついにやってきた谷汲だ。ここに「西国33ヵ所」の満願寺、第33番札所の華厳寺(けごんじ)がある。「谷汲山」の額のかかる門をくぐり抜け、みやげもの店や仏具店、茶店などの立ち並ぶ門前を走り抜けていく。そこかしこに「満願」の2文字が躍っている。食堂には「満願御膳」の旗がたなびいている。
アドレスを止めると、豪壮な造りの仁王門をくぐる。両脇の仁王像は運慶の作だといい伝えられている。石畳の参道を歩く。鮮やかな樹木の緑に覆われた参道の両側には108基の石灯籠が並んでいる。「三十三度石」、「百度石」を過ぎ、石段を登る。石段の両側には「南無十一面観世音菩薩」と染め抜かれた奉納幟がたなびいている。石段を登ったところが本堂で、本尊は十一面観音。こうして33番札所を参拝していると、第1番の青岸渡寺からの札所の数々が目に浮かんでくるのだった。
ところで「西国33ヵ所」でひとつ疑問に感じたのは、第33番の華厳寺だけが関ヶ原を越えた「東国」にあるということだ。なぜだろうと不思議でならなかったのだが、中山道の柏原宿(近江・美濃国境の近江側)にある成菩提寺を訪ねたときにその疑問が解けたように思った。今ではほとんど訪ねる人もいないような寂れた山寺の成菩提寺だが、最も栄えたという江戸時代初期の頃には64寺もの末寺を持つ大寺だった。徳川家康の知恵袋、天海僧正が住職を勤めたこともあるという。そのような西国の東端にある成菩提寺の末寺のひとつが谷汲の華厳寺だった。
華厳寺の参拝を終えると、谷汲温泉「満願の湯」(入浴料500円)に入る。大浴場と露天風呂。無色透明の湯につかりながら西国33ヵ所をめぐり終えた喜びにひたった。湯から上がると「西国33ヵ所めぐり」の出発点の京都に向かうのだった。