カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

V-Strom1000で行く日本[10]

投稿日:2015年11月5日

山形を味わい本州横断

2015年9月12日(福島一周)

 国道113号での「本州横断」はつづく。二井宿峠のトンネルを抜け出て山形県の高畠町に入ると、道の駅「たかはた」でV−ストローム1000を止めた。ここでは「玉こんにゃく」を食べた。赤湯温泉のある南陽市の中心街を走り抜け、飯豊町に入ると、道の駅「いいで」では「いも煮」(550円)を食べた。

「芋煮」といえば、山形の秋の風物詩。この季節、山形路を走っているとあちこちで、とくに川原などで開く芋煮の大鍋を囲む野外パーティーを見かける。石を集めてカマドをつくり、火を起こし、鍋をかける。その中に芋やコンニャクなどを入れ、醤油などで味を整え、最後に牛肉のうす切りを入れるのだ。米沢牛が入ったらもう最高。ちょっとバイクを停めて、気軽に「やー、こんにちは」ぐらいの声を掛けると、「兄さん、ちょっと寄って食べていきなさいよ!」と家庭味の芋煮を勧められることもある。このような「芋煮会」は芋煮の味覚を楽しむだけでなく、アウトドアでの食を楽しむことによって家族や親戚一同の絆を強めたり、地域の人たちのコミュニケーションを増す効果もある。「芋煮」の芋というのはサトイモのことだ。ジャガイモにしてもサツマイモにしても日本に伝わったのは江戸時代の前期。それ以前の日本で芋といえばサトイモなので、芋煮には長い歴史がしみついている。山形の芋煮にとどまらず、サトイモは日本各地の重要な行事食には欠かせない。道の駅「いいで」での「いも煮」は小粒のサトイモでトロッとした汁が味わい。卵が1個、サービスでついた。そんな「いも煮」を食べると、「今、山形を走っている!」という旅の実感が胸にこみ上げてくる。

 飯豊を過ぎると、宇津峠のトンネルを抜け、小国町に入る。JR米坂線の小国駅と道の駅「白い森おぐに」に寄っていく。道の駅「白い森おぐに」では、「アユの串焼き」(350円)にかぶりついた。

 小国を過ぎると赤芝峡の渓谷美を見ながら走り、県境を越えて新潟県に入る。山地を抜け出ると、荒川下流の広々とした水田地帯になる。国道7号を横切り、日本海東北道の荒川胎内ICの入口を通り、日本海に出た。ここからは日本海に沿って走り、新潟市内へ。新潟の中心、信濃川にかかる萬代橋の手前で国道7号との交差点に出た。国道7号に合流し、萬代橋を渡ったところが国道113号の終点になる。正確にいうとここが起点になる。信濃川河口の岸壁にV−ストローム1000を止め、「相馬→新潟」のゴールにするのだった。

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▲二井宿峠のトンネルを抜けて山形県に入る

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▲道の駅「たかはた」

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▲道の駅「たかはた」では「玉こんにゃく」を食べる

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▲道の駅「いいで」

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▲道の駅「いいで」の産直売り場

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▲道の駅「いいで」では「いも煮」を食べる

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▲宇津峠のトンネル

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▲JR米坂線の小国駅

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▲道の駅「白い森おぐに」

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▲道の駅「白い森おぐに」では「アユの串焼き」を食べる

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▲荒川の赤芝峡

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▲荒川下流の水田地帯

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▲日本海に到着

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▲新潟の信濃川河口に立つ!

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