アドレス日本巡礼[349]
投稿日:2016年5月6日
江戸唯一の札所
6月10日。朝湯に入り、朝食を食べ、百穴温泉「春奈」を出発。「吉見の百穴」を見て、「坂東三十三ヵ所」第11番札所の吉見観音(安楽寺)へ。仁王門をくぐって境内に入ったが、ここは大きな寺だ。大仏や三重塔がある。本尊の聖観音をまつる本堂の欄間には左甚五郎の「野荒らしの虎」。この彫刻の虎は夜な夜な欄間を抜け出し、一帯の田畑を荒らしまわったという。第9番の慈光寺と第10番の正法寺、そしてこの第11番の安楽寺は「比企三山」と呼ばれている。
吉見観音の参拝を終えると、東松山から県道27号で鴻巣へ。鴻巣からは国道17号→国道16号と走り、岩槻の第12番の慈恩寺へ。アドレスの機動力を存分に発揮させての札所めぐり。慈恩寺は最澄の弟子の慈覚大師が創建した。その寺名は慈覚大師が唐の都、長安で学んだ大慈恩寺に由来しているという。本尊は千手観音だ。こうして埼玉県内の4ヵ所の札所めぐりを終えると川口へ。川口市内のラーメン店「からく」で餃子&半ライスつきの「豚骨ラーメン」(800円)を食べ、荒川を渡って東京都に入った。
「坂東三十三ヵ所」の札所は関東の全域に散らばっているが、東京都内にある札所は第13番の浅草観音(浅草寺)だけ。それは幕府誕生以前の江戸(東京)が、いかに文化程度の低いところであったかを証明しているようなものだ。浅草に到着すると、大勢の観光客でにぎわう雷門から門前の仲見世を歩く。そして豪壮な造りの宝蔵門をくぐり抜けて本堂へ。本尊は聖観音。外国人観光客の姿が多く見られ、いろいろな言葉が飛び交っていた。浅草観音はそれまでの1番から12番までの札所とはまったく異質な世界だ。
浅草観音の参拝を終えると日本橋まで行き、再度、東海道を走る。多摩川を渡って神奈川県に入り、横浜を過ぎ、保土ヶ谷宿まで来たところで第14番の弘明寺へ。アドレスを止めると京急の弘明寺駅前から門前の商店街を歩き、仁王門をくぐり、石段を登って銅葺屋根の本堂へ。本尊は十一面観音。ここを最後に神奈川県内の札所めぐりを終えた。
保土ヶ谷宿からは東海道を走る。武蔵・相模国境の権太坂を越え、戸塚宿、藤沢宿を通り、相模川を渡って平塚宿へ。平塚宿から伊勢原の自宅に帰るのだった。
第11番・吉見観音の三重塔 | 第11番・吉見観音の本堂 | 第12番・慈恩寺 |
第12番・慈恩寺の本堂 | 「からく」の「豚骨ラーメン」 | 第13番・浅草観音の雷門 |
第13番・浅草観音の仲見世 | 第13番・浅草観音の宝蔵門 | 第13番・浅草観音の本堂 |
第14番・弘明寺の門前 | 第14番・弘明寺の仁王門 | 第14番・弘明寺の本堂 |