アドレス日本巡礼[355]
投稿日:2016年5月14日
栃木を終えて茨城へ
2009年6月13日。宇都宮駅前の「東横イン」の朝食を食べ、7時30分に出発。ここではサプライズがあった。「300日3000湯」の「温泉めぐり日本一周」(2006年〜2007年)で何度か同行してくれた蘭ちゃんがヤマハのSR400に乗って来てくれたのだ。蘭ちゃんと一緒に「坂東三十三ヵ所」第20番札所の益子観音(西明寺)に向かう。
宇都宮から国道4号→国道121号で益子へ。国道121号は山形県の米沢が基点。大峠を越えて福島県に入り、喜多方、会津若松、田島を通り、山王峠を越えて栃木県に入り、今市、鹿沼を通って益子が終点になる。
益子といえば日本有数の焼物の里。ここには数百もの窯元がある。益子観音はそのような焼物の里にある札所だ。益子観音に到着。入口には「関東ふれあい道」の案内板が立っている。それには「西明寺の山門や三重塔は室町文化を今に伝えています」と書かれている。風情のある茅葺の納経所で拝観料の300円を払い、石段を登っていく。石段の両側の椎の古木が昼なお暗い世界をつくり出している。石段を登りきると、豪壮な造りの山門(楼門)。そして本堂を参拝する。本尊は十一面観音。そのあと大師堂、三重塔と見てまわった。境内には高野槇の大木がある。
西明寺は天平9年(737年)、行基によって開基された。延暦年間(782年〜806年)には12坊を数えるような大寺だった。そんな寺運隆盛の頃、弘法大師がやってきたという。大師の徳をねたんだ僧たちは、大師を岩屋に幽閉した。しかし大師は持っていた独鈷で難を逃れたところから、西明寺には独鈷山の山号がついている。
ここが栃木県内の最後の札所になる。益子観音の参拝を終えたところで蘭ちゃんと別れ、「北関東編」最後の茨城県内の札所に向かった。