アドレス日本巡礼[374]
投稿日:2016年6月20日
雁坂峠まで行く
「秩父三十四ヵ所」の札所めぐりも、残すのはあとわずか。しかし第30番から満願の第34番までの一寺一寺は行くのが大変だ。札所間の距離も長くなる。
第29番の長泉院の参拝を終えると国道140号で奥秩父の大滝へ。秩父盆地から奥秩父の山中に入っていく。国道に沿って秩父鉄道が通っている。
白久駅の入口で国道140号を左折。荒川を渡り、白久駅脇の踏切を渡り、白久温泉を通り過ぎた山中に第30番札所の法雲寺がある。秩父の山々に囲まれた寺。本尊の如意輪観音座像は元応元年(1319年)、鎌倉建長寺の道隠禅師が中国から請来した渡来仏で「楊貴妃観音」といわれている。安禄山の乱で都長安を追われた玄宗皇帝が愛妃楊貴妃の供養にと自らが彫り上げ、密教僧の不空三蔵に開眼させたものだという。秘仏だが、一年に一度、4月18日の縁日と、午年にはご開帳される。
国道140号に戻るとアドレスを走らせ、大滝から山梨県境の雁坂峠まで行く。
国道140号は昔から「秩父往還」といわれるが、秩父盆地と甲府盆地を結すぶ街道だ。その間で埼玉・山梨県境の雁坂峠を越える。山梨県側では雁坂街道ともいわれる。山梨県側の人たちにとっては奥秩父の三峰神社参拝の重要な道。奥秩父最奥の集落、栃本には今でも栃本関が残っている。しかし国道140号の雁坂峠越えの区間は長年、未開通のままで、峠を貫く雁坂トンネルが開通したのは平成10年のことでしかない。それまで甲州人は大迂回をして三峰神社の参詣をしていた。雁坂トンネルの開通にともなって「彩甲斐街道」の愛称がつけられた。
秩父鉄道終点の三峰駅に立ち寄り、大滝では道の駅「大滝温泉」の岩風呂に入る。大滝からはループ橋で中津川の谷を渡り、滝沢ダムを見る。最奥の集落、栃本では関所跡を見た。栃本はすごいところでV字谷の急斜面に集落がある。そして雁坂峠への峠道を登っていく。峠を貫く雁坂トンネルの入口まで登りつめたところでアドレスを止めた。この雁坂トンネルは全長6625メートルで国道のトンネルとしては日本最長だ。