カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[39日目]

投稿日:2017年8月11日

信州白馬で忘年会

甲信編 15日目(2006年12月15日)

 横田温泉「舶来荘」の朝湯に入り、シシャモ、カマボコ、オムレツ、ハム、ヤマイモ、シラス、小エビ、のり、野沢菜、ご飯、味噌汁の朝食を食べ、8時15分に出発。

 第1湯目は浅間温泉の温泉街の中央にある共同浴場「仙気の湯」。ありがたいことに朝の6時からやっている。当然、朝湯を楽しむ地元のみなさんが大勢やって来ているだろうと思ったら、何と入浴客はぼく一人。朝湯を楽しむ人たちは、もっと早い時間にやってくるようだ。「仙気の湯」を独占し、熱めの湯にどっぷりつかった。

 第2湯目の美ヶ原温泉「ふれあい山辺館」も朝早く、6時30分からやっている。ここは朝湯を楽しむ人たちでワサワサ混み合っていた。無色透明の温めの湯。気持ちよく長湯できる。源泉は飲泉可。美ヶ原温泉はなつかしの温泉。3人の子供たちがまだ小さかった頃、近くの車屋で中古のホンダのシビックを買い、信州をまわった。その時、美ヶ原温泉に泊まった。あの頃は子供たちが大きくなったらどんなに楽なことか…と、思ったものだ。子供たちが成人し、3人とも家を出ていったが、振り返ってみると、子供たちに振り回され、手がかかっていた頃が人生の華だったように思う。

 松本市内から扉峠へ。

 第3湯目は扉峠下の扉温泉。ここでは日帰り湯「桧の湯」に入った。険しい狭路を登っていくような温泉なので、ほとんど入浴客はいないだろうと思ったら、内風呂も露天風呂もかなりの人。全員が地元の人たちのようで、毎日、来るという人もいた。湯量豊富で温めの湯。選挙が近いのだろう、候補者の品評会が始まった。信州人は政治好きで議論好き。そんなみなさんの話を湯船の片隅で聞いた。

 次の入山辺温泉はさんざん探しまわったが、とっくの昔に「廃業湯」になっていたことがわかった。

 松本に戻ると、第4湯目の崖の湯温泉へ。松本盆地をとりまく山並みの東側、崖の上にある温泉だ。ここでは温泉ホテル「薬師平茜宿」の湯に入った。大展望風呂は「絶景湯」。内風呂、露天風呂からは松本盆地を見下ろし、その向こうに連なる北アルプスの連山を一望する。すごい眺めだ。いい気分で湯から上がり、駐車場に停めたバイクに戻ると、ミラーにひっかけておいたヘルメットがない。一瞬青ざめたとき、「カソリさん、何か探しものですか?」の声。その声の主は内田さん。『ツーリングマップル』の中部編を担当している内田一成さんだ。「300日3000湯」の最初の4日間、同行してくれた昭文社の桑原さんもいる。2人でぼくのヘルメットを車に隠し、びっくりさせようとしたのだ。「よくここがわかりましたねえ!」といって内田さん、桑原さんと握手をかわし、出会いを喜び合った。こうして内田さん&桑原さんと一緒の温泉めぐりがはじまった。

 松本から国道147号→国道148号を北上する。

 第5湯目は安曇野蝶ヶ岳温泉「ほりで〜ゆ〜四季の郷」の湯。大浴場と露天風呂。目の前に北アルプスの常念岳(2857m)を見る。湯から上がると3人で昼食。ぼくは「きのこそば」を食べた。

 第6湯目は葛温泉「高野館」の湯。大浴場と大露天風呂。湯量豊富な高温湯の温泉なので、気温は氷点下だが、露天風呂の湯は十分に熱い。

 第7湯目は大町温泉「薬師の湯」。大浴場と露天風呂。湯から上がると、桑原さんの発案でマッサージチェアーを初体験。別に肩が凝っているわけでもないので、気持ちよさはまったく感じなかった。

 第8湯目は木崎湖温泉「ゆーぷる木崎湖」の湯。大浴場と露天風呂の湯に入り、白馬のペンション「ミーティア」に泊まった。ここは内田さんが懇意にしているところ。内田さん、桑原さんと一緒に居酒屋に入る。まずは生ビールで乾杯。3人での忘年会が始まった。そこへ内田さんが親しくしている地元の方、2人もやってきて楽しい飲み会になった。2人からは白馬の話、さらには信州の話を聞いた。地元のことをよく知っている人の話は奥が深いし、じつにおもしろい。話の端々に「郷土愛」を感じるのだった。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 横田温泉「舶来荘」
朝食 横田温泉「舶来荘」 シシャモ、カマボコ、オムレツ、ハム、ヤマイモ、シラス、小エビ、のり、野沢菜、ご飯、味噌汁
8時15分 横田温泉「舶来荘」を出発
328湯目 浅間温泉「仙気の湯」(250円)
329湯目 美ヶ原温泉「ふれあい山辺館」(300円)
入山辺温泉(廃業湯)
330湯目 扉温泉「桧の湯」(300円)
331湯目 崖の湯温泉「薬師平ホテル」(700円)
桑原さん、内田さんとの出会い
332湯目 安曇野蝶ヶ岳温泉「ほりで〜ゆ〜四季の郷」(500円)
昼食 安曇野蝶ヶ岳温泉「ほりで〜ゆ〜四季の郷」 きのこそば(700円)
333湯目 葛温泉「高瀬館」(500円)
334湯目 大町温泉「薬師の湯」(600円)
335湯目 木崎湖温泉「ゆ〜ぷる木崎湖」(600円)
佐野坂峠(峠越え)
20時 白馬のペンション「ミーティア」
夕食 白馬の居酒屋 牛のたたき、とろろ、ポテト、サラダ、お好み焼き、焼き鳥
本日の走行距離数 183キロ
本日の温泉入浴数 8湯

横田温泉「舶来荘」の朝食「舶来荘」を出発浅間温泉「仙気の湯」

横田温泉「舶来荘」の朝食 「舶来荘」を出発 浅間温泉「仙気の湯」

「仙気の湯」の浴室美ヶ原温泉「ふれあい山辺館」扉温泉「桧の湯」

「仙気の湯」の浴室 美ヶ原温泉「ふれあい山辺館」 扉温泉「桧の湯」

扉峠近くのダートを走る崖の湯温泉「薬師平ホテル」「薬師平ホテル」の湯に入る

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北アルプスの山麓を行く安曇野蝶ヶ岳温泉「ほりで〜ゆ〜四季の郷」「ほりで〜ゆ〜四季の郷」の「きのこそば」

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葛温泉「高瀬館」「高瀬館」の露天風呂に入る「高瀬館」の打たせ湯

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大町温泉「薬師の湯」「薬師の湯」でマッサージチェアーを初体験白馬の居酒屋で内田さんと乾杯!

大町温泉「薬師の湯」 「薬師の湯」でマッサージチェアーを初体験 白馬の居酒屋で内田さんと乾杯!

白馬の居酒屋で夕食白馬の居酒屋で出会った地元の方2人

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