カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

小清水原生花園

投稿日:2010年3月17日

思い出の北浜駅

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小清水原生花園前のオホーツク海。釣人は秋アジを釣っている


 標津から国道244号で根北峠を越え、北見に入っていく。日本離れした広大な農地が広がっている。その向こうにはスーッとそそり立つ斜里岳。日本の100名山にも選ばれている名峰だ。
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根北峠を越える


 斜里の国道沿いの食堂「春日」で昼食。「刺身盛定食」を食べたが、ギンガレー、キングサーモン、マグロ、タイ、イカの刺身は鮮度満点。北海の海の幸に大満足。斜里は秋アジ(サケ)漁が豊漁でウハウハだという。標津ではあまり獲れなかったという話を聞いたので、根北峠を境にして明暗が分かれた。
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斜里で昼食。「刺身盛定食」を食べる


 斜里からさらに国道242号を行き、止別を過ぎると、北海道遺産の小清水原生花園に入っていく。オホーツク海と濤沸湖に挟まれた約8キロの砂丘風丘陵に70種の野生の花々が見られるという。だが、晩秋のこの季節は単なる枯野でしかなかった。
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小清水原生花園。この季節は単なる枯野
小清水原生花園越しに濤沸湖を見る


 展望台に立つと斜里岳を遠望し、キラキラ輝く濤沸湖を見渡した。濤沸湖はラムサール条約に登録された湖で、冬には白鳥が多数、飛来する。湖畔は馬の放牧地になっているが、この季節、1頭の馬も見なかった。すでに牧場に帰ったのだろう。
 JR釧網線の浜小清水駅を過ぎたところで、線路を渡り、オホーツク海の砂浜に出た。そこでは秋アジ(サケ)釣りの釣人たちが、1人で何本もの竿を立てていた。
 浜小清水駅の次ぎには原生花園駅がある。ここは小清水原生花園の花の季節だけオープンする夏季限定の駅。
 小清水原生花園が尽きるあたりには北浜駅がある。ここはなつかしの駅。1989年の「40代編日本一周」ではこの駅でひと晩、寝かせてもらった。「オホーツクに一番近い駅」をキャッチフレーズにしているだけあって、海岸まで20メートルほどしか離れていない。
 駅舎内には所狭しと、使用済みの定期券が貼られていた。その数は1000枚以上。日本中からやってきた旅人たちが1枚、また1枚と貼っていったものだ。ぼくと同じ神奈川県の伊勢原市民のものもあった。「伊勢原⇔池袋」、「伊勢原⇔巣鴨」と、ともに女子大生のものだった。そんな駅舎のベンチにシュラフを敷いて、オホーツクの波の音と、うなりをあげて吹きすさぶ風の音を聞きながら眠った。
 そんな20年前の思い出がつい昨日のことのように思い出された。
 小清水原生花園はワッカ原生花園とセットになって北海道遺産に指定されている。
 サロマ湖の砂嘴にあるワッカ原生花園では、小清水原生花園以上の、300種以上の草花が見られるという。
 カブタンブログにはワッカ原生花園が次ぎのように紹介されている。

 さて、ワッカ原生花園。
 ひろ~くて、左にサロマ湖、右にオホーツク海。
 その間を「龍宮街道」という細ながい道が続き、両脇に花々が咲いています。
 車の乗り入れが禁止なので、みんな歩いたり、自転車で。
 青い海、ひろ~い空、ここちよい潮風、普段は見たことがない「花壇」ではない花々を 自分の時間の中で堪能できます。
 エゾスカシユリ。花びらと花びらの間に隙間があるので、こういう名前だそうです。
 見事に一面に咲き乱れています。

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