カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[291日目]

投稿日:2020年4月25日

エンジン全開で東京へ

北海道編 67日目(2007年10月26日)

 秋和温泉「秋和鉱泉旅館」の朝湯に入る。湯から上がると朝食。塩ジャケ、キノコの卵とじ、酢の物、漬物…でいつもの「三杯飯」。具だくさんの味噌汁がおいしい。これぞ信州の味!

 宿を出発するときは、「カソリさん、気をつけてくださいね」と、女将さんにはやさしい言葉をかけられ、さらに「リンゴ」と「ラフランス」までいただいた。

 第1湯目の岳の湯温泉へ。その途中では、昨日、一緒に温泉をめぐった「よかさん」の家に寄っていく。上田に近い「よか家」前の自販機でカンコーヒーを飲む約束をしていたからだ。その自販機に到着すると、「よかさん」と「溶接屋さん」が待ち構えていた。2人も一緒に岳の湯温泉に行くという。「よかさん」の車が先頭で、つづいてカソリのスズキDR−Z400SM、「溶接屋さん」のスズキGRガンマがつづく。「溶接屋さん」は伝説の名車を時間をかけて復活させた。2サイクルエンジンのサウンドがたまらない。

 岳の湯温泉の一軒宿「雲渓荘」には10時過ぎに到着。ここの日帰り湯は10時から。ドンピシャのタイミングで着いた。男湯の方は貸切湯同然でほかに入浴客もいない。無色透明の湯にどっぷりつかりながら、「溶接屋さん」との「湯の中談義」を楽しんだ。浴室からはきれいな紅葉が眺められた。「紅葉狩り」の湯はたまらない。湯から上がると、「よかさん」、「溶接屋さん」とグレープフルーツジュースで乾杯。ロビーのソファーに座りながらの話は尽きない。

「溶接屋さん」は岳の湯温泉から帰っていった。

「よかさん」とは国道152号沿いのコンビニまで一緒に行き、そこで「また、いつか、お会いしましょうね」といって別れるはずだった。だが別れがたくて、よかさんの「近くにおいしいラーメン屋さんがあるのよ」の一言で、「かじかや」で昼食。手打ちの幅広麺の「中華そば」をよかさんにご馳走になった。

 よかさんと別れ、国道152号で大門峠に向かっていくと、激しい雨になった。

 あっというまの出来事で、道路が冠水するほどの降り方だ。

 大門峠を越える。

 冬の温泉めぐりではツルンツルンのアイスバーンに泣かされた大門峠だが、今回は大雨…。

 大門峠を下ったところで第2湯目の唐沢温泉「唐沢鉱泉旅館」の湯に入る。木の湯船の無色透明の湯につかった。

 つづいて第3湯目の原村八ヶ岳温泉「もみの湯」に入る。大浴場と露天風呂。茶色がかった半透明の湯には温泉の味がする。

 長野県から山梨県に入ると、南アルプス山中の3湯を目指した。

 雨はさらに激しくなっている。豪雨といっていい。

 すでに日は暮れ、雨中の林道ナイトラン。路面のいたるところに大きな水溜まりができている。バシャー、バシャーと盛大な水しぶきをあげながら突き進んでいく。

 あやうく路肩を踏みはずしそうになり、あわや谷底に転落…という危機もあった。

 第4湯目は御座石温泉。一軒宿の「御座石鉱泉旅館」に到着したのは18時30分。すでに玄関の明かりは消えていたが、無理いって入らせてもらった。内風呂のみ。若干のにごり湯。湯につかったときのうれしっさといったらない。豪雨の林道ナイトランに打ち勝ったような気分。湯から上がると、女将さんはわざわざ外に出て、
「気をつけて帰ってくださいね」
 といって見送ってくれた。

 第5湯目は青木温泉。一軒宿の「青木鉱泉旅館」に着くと、やはり電気は消えていた。「ゴメンクダサ〜イ!」

 大声を張り上げると電気をつけてくれ、入浴もさせてくれた。無理して来た甲斐があったというもの。内風呂の無色透明の湯につかった。

 第6湯目は大藪温泉。湯元の「鈴木旅館」に着いたのは21時。ここでは電気はついていたが、玄関が閉まっていた。またまた大声を張り上げ、「ゴメンクダサイ!」を連発する。番犬がワンワン、火のついたように吠えまくっている。しばらくして出てきた女将さんに、「こんな時間で…、ほんとうに申し訳ないのですが…」と謝って入浴を頼むと、快く入れさせてくれた。ありがたい。大浴場の無色透明の湯。これで南アルプス山中の3鉱泉の湯に入ることができた。

 大藪温泉を出発したのは21時30分。

 国道20号に出ると、韮崎ICで中央高速に入り、双葉SAで夕食のナン&チキンカレーを食べた。

 双葉SAからはDRのエンジン全開で東京へ。

 雨より怖いのはツルツルタイヤだ。車線を変えるたびにツルッと滑り、ヒヤヒヤした。

 都内に入ると、首都高→湾岸→東関道→京葉道路と高速道をひた走り、貝塚ICで高速を降りたのは午前1時。屋根をみつけると、その下で「午前1時の宿探し」。

 千葉駅前の「東横イン」に電話すると満室。この時間だから当然か…。だが、ありがたいことに、「千葉みなと駅前」にもあるという。すぐさま電話すると部屋がとれた。「午前1時の宿探し」、成功!

「東横イン・千葉みなと駅前」に到着したのは1時40分。ここまで来れば、「3000湯の夕べ」のイベントが行なわれる勝浦温泉までそれほど遠くはない。

「東横イン」の温泉ではない湯に入り、湯から上がると「溶接屋さん」が差し入れしてくれた「千曲錦」を飲んだ。瓶にはマジックで「祝!3000湯」と書かれてあった。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 秋和温泉「秋和鉱泉」
朝食 秋和温泉「秋和鉱泉」
9時30分 秋和温泉「秋和鉱泉」を出発
出会い よかさん、溶接屋さん
3042湯目 岳の湯温泉「雲渓荘」(400円)
昼食 「かじかや」中華そば(550円)
大門峠(峠越え)
3043湯目 唐沢温泉「唐沢鉱泉旅館」(700円)
3044湯目 原村八ヶ岳温泉「もみの湯」(500円)
3045湯目 御座石温泉「御座石鉱泉旅館」(1260円)
3046湯目 青木温泉「青木鉱泉旅館」(1000円)
3047湯目 大藪温泉「湯元 鈴木旅館」(710円)
夕食 中央道の双葉SA ナン&チキンカレー(700円)
1時40分 千葉「東横イン 千葉みなと駅前」(1泊朝食6090円)
本日の走行距離数 480キロ
本日の温泉入浴数 6湯

秋和温泉「秋和鉱泉」の朝湯に入る「秋和鉱泉」の朝食よかさん、溶接屋さんとの出会い

秋和温泉「秋和鉱泉」の朝湯に入る 「秋和鉱泉」の朝食 よかさん、溶接屋さんとの出会い

岳の湯温泉「雲渓荘」「溶接屋さん」とスズキGRガンマ「かじかや」の「中華そば」

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豪雨の大門峠を越えた!唐沢温泉「唐沢鉱泉旅館」双葉SAの「ナン&チキンカレー」

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