増毛の歴史的建造物
投稿日:2010年11月10日
駅前通りで往時の隆盛を偲ぶ
留萌から国道231号で増毛へ。この町の歴史的建造物が北海道遺産になっている。
増毛に近づくと、暑寒別岳を主峰とする山並みが大きく見えてくる。
増毛に到着するとまずは増毛漁港を見る。
増毛は宝暦年間(1571年~1764年)に漁場として開発されて以来、ニシン漁の中心として繁栄した。その栄華を今にとどめる「歴史的建造物」の数々がこの町に残されている。
増毛港からJR留萌本線の終着駅の増毛駅へ。今は本線とは名ばかりの超ローカル線で、留萌から1両編成の列車がやってきた。列車を降りた乗客の数はほんの数人で寂しさを漂わせていた。
そんな増毛の駅前に木造3階建の旅館「富田屋」があるが、今は廃業状態。その隣りにはやはり歴史を感じさせる建物の「風待食堂」があるが、ここも今はやっていない。
駅前通りには旧商家丸一本間家や増毛館、日本最北の造り酒屋、国稀酒造などの歴史を感じさせる建物群が残っている。
高台にある増毛小学校の校舎も歴史的建造物で、現存する小学校の校舎としては北海道最古。昭和11年に建てられた。
このような歴史的建造物を見ながら、ニシン漁で繁栄を謳歌した時代の増毛を偲んでみるのだった。
増毛の町をプラプラ歩きを終えたところで、食堂「志満川」で「ウニ鍋定食」を食べた。北海の味覚がたまらない。
増毛からはさらに日本海に沿って国道231号を南下し、雄冬岬まで行ってみる。
暑寒別岳からつづく1000メートル級の山並みがそのまま海に落ち込む海岸は険しく、自然の大きな障害になっていた。この国道231号が全線開通したのは1981年のことでしかない。着工以来、23年の歳月をかけての完成だった。
雄冬海岸に入るとカムイエ崎、マッカ崎、日方崎、観音崎、赤岩崎と岬がつづき、赤茶けた岩山がそのままストンと海に落ちている。
国道231号は連続するトンネルで、これらの岬を通りぬけていく。
雄冬岬の手前に雄冬の集落がある。近年まではニシン番屋が残っていたほどで、かつては増毛と同じようにニシン漁で栄えた。
雄冬は国道が開通するまではまさに「陸の孤島」で、1日1便の増毛港に通う定期船が唯一の交通機関になっていた。
雄冬漁港の目の前に立ちふさがるようにして、日本海に突き出た岬が雄冬岬だ。安山岩、蛇紋岩などが高さ100メートル以上もある切り立った断崖をつくり、昔から「西蝦夷三険岬」のひとつとして恐れられてきた。
そんな雄冬岬の断崖から流れ落ちる白銀の滝を見たところで増毛に戻った。