第20回 中津尾林道
投稿日:2011年1月11日
2010年 林道日本一周・西日本編
予想を超える10.5km、ロングダートに気分も高揚
高知県安芸市の山間の温泉、畑山温泉の入口には、「畑山温泉開発の由来」が書かれている。それが興味深い。どのようにしてこの温泉が誕生したかがよくわかるので、その由来をそっくりそのまま紹介しよう
昭和43年、当時安芸市議会議員の要職にあった小松次郎氏と奈半利町安岡正光氏が共同し、北川氏の了解を得て、県の掘削許可、水質分析など多大な労苦の末、開発準備が進められた。
昭和53年、市が各氏の創案を継承し、着工したが、資金については安芸市土居の清藤敏吉氏から多額の御寄付を受け、掘削に成功した。
温泉は良質のアルカリ鉱泉で毎分35リットル湧出する療養泉である。
利用施設の供用に当り、上記各氏の温泉開発にかけた情熱と御厚情に応え、その功績を末永くたたえる。
昭和57年3月吉日 安芸市
畑山温泉でさっぱりすっきりし、さらなる林道へとスズキDR-Z400Sを走らせる。ダート2・2キロの畑山林道経由で中津尾林道に入っていく。
一気に高度を上げ、中津尾の集落を走り抜け、峠を越え、国道195号に下っていく。中津尾林道のダート距離は10・5キロ。10キロを超えた!
西日本編ではダート10キロを目安にし、それ以上をロングダートにしているが、張川林道につづいてのロングダート、中津尾林道の走行はうれしいものだった。
国道195号に出ると、旧物部村の山村風景を見ながら走る。ここは今、香美市になっている。「市」のイメージからはほど遠い山村の風景だが、国道195号の徳島県側、2町2村が合併して那賀町になったように、高知県側は土佐山田町と香北町、物部村の2町1村が合併して香美市になった。
旧物部村の中心、大栃からは高知・徳島県境の四ツ足峠に向かっていく。
峠下のべふ峡温泉を通り過ぎ、四ツ足峠まで行く。さきほどは徳島県側からこの県境の峠まで来たので、ここでドッキング。今度は高知県側の「峠返し」でべふ峡温泉に下っていった。
なんともありがたいことにべふ峡温泉には、飛び込みで泊れた。
さっそく大浴場の湯に入り、湯から上がると生ビールで「乾杯!」。
一人「林道天国」の高知県に乾杯する。キューッと生ビールを飲み干しながら、これから走る高知県の林道群に想いを馳せるのだ。
すっかりいい気分になったところで夕食。これぞ山里の味覚といった「鹿のたたき」に舌鼓を打った。