カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

稚内港北防波堤ドーム

投稿日:2010年7月4日

サハリンの思い出が蘇る

これが稚内港北防波堤ドーム


周氷河地形の宗谷丘陵上の道を走ったあと、宗谷岬に戻ってきた。
「日本最北端の地碑」前に立って宗谷海峡上のサハリンを眺め、間宮林蔵の銅像を見、宗谷岬神社に参拝して宗谷岬を出発。国道238号で稚内に向かう。海はオホーツク海から日本海に変る。
 その途中では「間宮林道渡樺の地」でスズキDR-Z400Sを停める。そこには石碑が建ち、案内板には次のように書かれている。

 ロシアの南下政策に驚いた幕府は文化5年4月13日(1808)間宮林蔵と松川伝十郎を北蝦夷(カラフト)の調査に向かわせた。
 流氷は去ったものの、なお酷しい寒気と荒波の宗谷海峡をのりこえて、人情、風俗の異なる北蝦夷に渡り、東海岸を調べた。
 この年、林蔵は再び北蝦夷に渡り越冬、翌年文化6年春、西海岸を北上し北蝦夷は大陸と海峡をへだてた島であることを確認した。夏には大陸交易に赴くギリヤーク人に同行しアムール下流の満州仮府デレンを訪れ、この地方の情勢を調査し、「東韃紀行」として報告された。
 後にシーボルトはその海峡を「間宮の瀬戸」と名付けて世界に紹介した。

宗谷岬の「日本最北端の地碑」
宗谷岬の宗谷岬神社


宗谷岬の間宮林蔵像


間宮林蔵渡樺の地
白鳥や多数の水鳥が見られる大沼


 国道238号で稚内へ。
 宗谷漁港前を通り、稚内空港入口を過ぎたところで国道を左折し、大沼に寄り道をした。大沼にはすでに多数の白鳥が飛来し、多数の水鳥を見た。そして国道に戻り、稚内の市街地に入っていった。
 日本最北の駅、JR宗谷本線の終点、稚内駅前でDRを停める。
「あー、ここまで来たか!」
 と、感無量。
 今回の「北海道遺産めぐり」では函館を出発点に、「北海道一周ルート」をメインにしたが、これで第1ステージの「函館→根室」、第2ステージの「根室→稚内」を走り終えたことになる。
 さー、稚内の北海道遺産だ。
 稚内駅からすぐ近くの稚内港北防波堤ドームに行く。DRをドーム内に停めて記念撮影。このドームが北海道遺産になっている。
 総延長427メートルの半アーチ式ドームで、古代ローマ風の美しい建造物。稚内と樺太(サハリン)の大泊(コルサコフ)を結んだ旧稚泊航路の岸壁を守る施設として造られ、強風と荒波を防ぐ防波堤の役目を果たした。その役割は今でも果たしつづけている。

日本最北の稚内駅に到着
旧稚泊航路の碑


稚内港
稚内港に停泊中のハートランドフェリー


 それにしても何ともなつかしい稚内港。
 1991年には北防波堤ドーム前の岸壁でロシア船にバイクともども乗り込み、サハリンのホルムスク(旧真岡)に渡った。
 2000年には東日本海フェリー(現ハートランドフェリー)でサハリンのコルサコフ(旧大泊)に渡った。
 それら2度のサハリン行は次回以降、番外編でお伝えしよう。

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