カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

第17回 四国三郎

投稿日:2011年1月8日

2010年 林道日本一周・西日本編

四国第一の大河「吉野川」に触れ、剣山スーパー林道を目指す

 夜明けの徳島駅前にスズキDR-Z400Sとともに立ち、いよいよ「林道日本一周・四国編」の開始だ。まずは「すき家」でご飯大盛の「納豆定食」(350円)を食べ、国道11号の吉野川大橋で吉野川を渡る。
  坂東太郎
  筑紫次郎
  四国三郎
 といえば、日本を代表する大河。坂東太郎は関東の利根川、筑紫次郎は九州の筑後川、そして四国三郎といえば、四国第一の大河、吉野川のことである。
 吉野川は四国の中央部を貫いて流れる川で全長194キロ。四国の最高峰、石鎚山東側の瓶ヶ森山を源としている。
 高知県内を西から東に流れ、徳島県内に入ると南から北へと流れを変え、大歩危、小歩危の峡谷をつくり、四国山脈を縦断。山地を抜け出ると、池田(三好市)で東に向きを変え、約80キロ流れて徳島で紀伊水道に出る。
 池田以東の吉野川は西南日本を内帯と外帯に二分する大断層線の中央構造線に沿って流れている。
 吉野川大橋を渡りきると、吉野川の河口までいってみる。
 対岸には徳島の市街地が広がり、町並みを見下ろすかのように眉山がそそり立っている。青空を映した吉野川はより青い。吉野川の流れ出る紀伊水道の海も青い。
「青い四国だ!」
 国道11号→県道12号で阿波の一の宮、大麻比古(おおあさひこ)神社に参拝。境内には御神木にもなっている樹齢1000年の大楠が目を引く。高さは22メートルという大木だ。
 徳島に戻ると、眉山に登る。山頂までバイクで行ける。そこからの眺めは絶景。
 眼下には徳島の市街地が広がり、その向こうを吉野川が流れ、紀伊水道に流れ出ていく。淡路島の山々も青く霞んで見える。
 徳島駅の南側には高層のビルが建ち並んでいるが、北側にはこんもりとした緑の小山が見える。徳島は蜂須賀氏25万石の城下町。蜂須賀氏の居城、徳島城のある城山だ。こうして眉山の山頂に立っていると、徳島とその周辺の実物大の地図を見ているかのようだ。 眉山を最後に徳島を離れ、日本最長林道の剣山スーパー林道に向かっていく。

剣山スーパー林道にも舗装化の波が押し寄せている

 国道55号→県道16号で上勝へ。月ヶ谷温泉(入浴料500円)の大浴場の湯に入り、県道16号沿いのGSで給油し、剣山スーパー林道に入っていく。これは剣山スーパー林道を走るときのいつものパターンだ。
「スーパー林道起点」の木標には終点の木頭村(現那賀町)まで87・7KMと記されている。そこから9・3キロ走ったところで待望のダートに突入。いやがうえにも期待感で胸が弾む。
 剣山スーパー林道は起点の上勝から旭丸峠に登り、そこからは山上道になる。
 土須峠で国道193号と交差する地点までが第1セクション、川成峠までが第2セクション、剣山を目の前にする「山の家」近くの分岐までが第3セクション、終点の高ノ瀬峡までが第4セクションとぼくは区分けしている。
 まずは入口の旭丸峠へ。ところが舗装化が進み、1・3キロのダートを走ると舗装路になり、4・0キロのダートを走るとまた舗装路になり、1・4キロのダートを走るとまたまた舗装路になりといったダートと舗装の斑模様になっていた。そしてとどのつまりは林道起点標から20キロ地点で舗装工事のため通行止め。ガックリだ。
 だが、そう簡単には諦めないカソリ。
 上勝に戻ると、さきほどの県道16号で八重地峠を越え、国道193号に出ようとした。ところがその先、県道16号は通行止め。幸いなことに迂回路があり、山越えのルートで国道193号の木沢に出た。
 木沢からは国道193号で土須峠に向かい、峠の手前を左に折れ、剣山スーパー林道の第2セクションに入ろうとした。ところが国道193号の土須峠方向は四季美谷温泉への道との分岐から先は通行止め。あっちも通行止め、こっちも通行止めで八方ふさがりになってしまう。
 さー、どうする、カソリ…。

フォトアルバム

徳島駅前を出発!
すき家の「納豆定食」。ご飯大盛


吉野川
阿波国の一の宮、大麻比古神社


大麻比古神社の大楠
眉山からの眺め


月ヶ谷温泉
月ヶ谷温泉の大浴場


剣山スーパー林道の起点標
剣山スーパー林道のダートに突入!


ストレート区間を突っ走る
旭丸峠に向かって一気に高度を上げる


あともう少しで旭丸峠なのに…
県道16号の八重地峠のトンネル


八重地峠周辺の新緑の風景
国道193号の木沢に到着


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