カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

第18回 剣山スーパー林道

投稿日:2011年1月9日

2010年 林道日本一周・西日本編

困った時は温泉に入って頭の中もリフレッシュ

 国道193号の旧木沢村の中心、木沢から土須峠に向かっていったが、四季美谷温泉との分岐から先は通行止め。
「さー、どうしよう…」
 と途方に暮れたが、こういうときは温泉に入るにかぎる。
 さっそく県道295号で四季美谷温泉(入浴料500円)へ。大浴場の湯に入る。浴室からは輝くような新緑の山々を眺める。湯から上がると昼食。「ビーフカレー」を食べ終わる頃にはすっかりいい気分になっていた。
「よーし、もう一度、剣山スーパー林道に挑戦だ!」
 旅で困ったときは温泉に入るに限る、食べるに限る。
『ツーリングマップル中国・四国』を見ながら新たなプラニングをする。
 その結果、県道295号をさらに行った川成から川成峠に登り、そこから剣山スーパー林道の第3セクションに入ることにした。
 スズキDR-Z400Sを走らせ、川成へ。そこから舗装路の峠道を登っていく。だが、この道も、またしても通行止めだった。
 川成に戻ると最後のチャンスだとばかりに、さらに県道295号を走り、舗装林道の槍戸林道に入っていく。
「やったね!」
 剣山スーパー林道とぶつかる地点からの第4セクションは通行止にはなっていなかった。うれしさのあまり、DRのアクセルを思いっきり開いて走った。3・8キロのダートを走ると、「山の家・奥槍戸」に到着。そこには剣山スーパー林道の開通記念碑が建っている。
「山の家・奥槍戸」を過ぎると、剣山トンネルを抜け、旧木頭村に入る。空が限りなく近い稜線沿いの道はやがて谷底へと一気に下り、剣山スーパー林道の終点、高ノ瀬峡へ。
 第4セクションのダート距離は16・7キロになった。

県境四ツ足峠には、興味深いお堂が建つ

 上勝から旭丸峠への登りでは6・7キロのダート、それを往復したので13・4キロのダートを走った。合計すると30・1キロのダートになる。それが今回の剣山スーパー林道。それにしても奥槍戸林道との分岐から高ノ瀬峡までの第4セクションを走れてよかったー!
 1999年の「林道日本一周」のときは全長87・7キロの剣山スーパー林道のうち、ダート区間は75・6キロあった。2003年の「四国編林道走破行」のときもほとんど変らなかった。だが今、上勝から旭丸峠までは急速に舗装化が進んでいるので、ダート距離はかなり短くなっているはずだ。上勝→旭丸峠間が全線舗装化されるのは時間の問題のようだ。残念…。
 高ノ瀬峡からさらに下り、国道195号に出る。
 国道195号で徳島・高知県境の四ツ足峠まで行ってみる。
 徳島県内はこの県境の峠までが那賀町になっている。
 2005年の合併以前は那賀川の上流側からいうと木頭村、木沢村、上那賀町、相生町、鷲敷町という5町村あったが、今では那賀川の上中流域すべてが那賀町になっている。下流は阿南市である。
 徳島・高知県境の四ッ足峠を越える。
 峠は全長1857メートルの長いトンネルで貫かれている。トンネルを抜けると、高知県の香美市になる。
 四ツ足峠は標高1017メートル。新道はトンネルで貫かれているが、旧道の峠には「四ツ足堂」と呼ばれるお堂があって、地蔵がまつられている。四ツ足峠という峠名は、その「四ツ足堂」に由来し、「四ツ足堂峠」と呼ばれることもある。4本の足で支えられたお堂の、2本の足は高知側、もう2本が徳島側に立っているという。何とも興味ひかれる四ツ足峠だ。

フォトアルバム

四季美谷温泉
四季美谷温泉の大浴場


浴室から眺める新緑
昼食の「ビーフカレー」


川成峠への道も通行止
剣山スーパー林道の第4セクションに突入!


右手奥に剣山が見える
稜線上を行く剣山スーパー林道


「山の家・奥槍戸」
剣山スーパー林道の開通記念碑


剣山への登山道入口
剣山トンネル


旧木頭村に入る
剣山スーパー林道は天空の道


新緑の高ノ瀬峡
那賀川の清流


国道195号に出る
徳島・高知県境の四ツ足峠


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