カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

第43回 佐多岬

投稿日:2011年2月8日

2010年 林道日本一周・西日本編

西日本編の中間地点、鹿児島に到着

 大隅半島南端に近い花瀬を出発。スズキDR-Z400Sに「さー、行くぞ!」とひと声かけて県道563号を南へと走り出す。
 花瀬から2キロほど走ったところで県道563号を右折し、大鹿倉林道に入っていく。舗装化が進み、ダート→舗装→ダート→舗装…の斑状態。林道入口から5・3キロ地点で木場岳(890m)の登山口に到着。この木場岳は内之牧林道の稲尾岳同様、西日本でも最大級の照葉樹林の山になっている。「照葉樹の森」の中を歩ける自然観察道もある。
 木場岳の登山口を過ぎると峠を越え、8・4キロのダートを走り切り、県道68号に出た。
 なお、この8・4キロのダート区間だが、ぼくのダート距離の計算の仕方は次のようなものである。
 大鹿倉林道のようなダート→舗装→ダートという斑状態の林道では、間にはさまれた舗装区間が1キロ未満の場合は、そのままダート距離に組み込んでいる。1キロを越える場合は、そこまでのダート距離としていったん区切り、何区間かのダート距離を合計している。
 大鹿倉林道の次はいよいよ「東京→鹿児島」間、最後の大中尾林道だ。
 県道68号→県道74号で日本本土最南の大中尾林道に入っていく。県道74号の入口からダートなのがうれしい。
「本土最南の林道だ!」
 と気負ってDRを走らせたが、残念無念…、林道入口から2・6キロ地点で通行止めだった。ちょっとガックリ…。
 県道74号に戻ると、気をとり直し、いま来た方向に走り、鹿児島湾岸の佐多(南大隅町)に出た。
 佐多から県道68号で日本本土最南の集落、大泊へ。
 大泊から日本本土最南端の佐多岬に向かった。
 まわりの山々には亜熱帯樹が見られる。道路沿いの家の前には捕獲したばかりのイノシシが鉄のゲージに入れられている。大物のイノシシはゲージの中で大暴れしている。

 佐多岬の入口に到着。そこにはガジュマルの大木。岬の先端に向かって小道を歩いていく。御崎神社に参拝し、北緯30度59分30秒の佐多岬の展望台に立った。
 目の前の大輪島にある佐多岬灯台は慶応2年、江戸幕府と米、英、仏、蘭の4ヵ国との間で取り決めた条約に基づいて、全国8ヶ所に設けられた灯台のひとつ。明治4年の完成時には菜種油を使っていたという。
 佐多岬の展望台からは大隅海峡を隔てた水平線上に、左から種子島、屋久島、口永良部島が淡く、墨絵のように見えた。
 佐多岬から佐多に戻ると、佐多温泉の「さたでいゆ」へ。だが、残念ながら休業中で入れなかった。
 佐多からは鹿児島湾岸を走る国道269号で根占へ。根占温泉「ネッピー館」(入浴料330円)の湯に入る。大浴場の円形の湯船は無色透明の塩分の濃い湯。つづいて入った露天風呂はにごり湯でやはり塩分の濃い湯だった。
 湯から上がると「ネッピー館」内のレストランで夕食。「かんぱち丼」(1300円)を食べたが、鮮度抜群のカンパチの切り身は絶品だった。
 大満足で根占温泉をあとにし、国道269号→県道68号→国道220号という鹿児島湾岸のルートで垂水へ。垂水からは22時30分発の最終のフェリー(710円)で鹿児島の鴨池港に渡った。
 23時05分、鴨池港に到着。
 23時35分、鹿児島中央駅前に到着。東京から3496キロ。DRには、「よくやたな!」とねぎらいの言葉をかけた。
 その夜は駅前の「東横イン」に飛び込みで泊まれた。ロビーの自販機でカンビールを買い、部屋で鹿児島到着を祝って一人で「乾杯!」。これで「林道日本一周・西日本編」の半分の行程を走り終えたことになる。

フォトアルバム

大鹿倉林道のダートに突入!
木場岳の登山口


大鹿倉林道の峠
大中尾林道の案内板


大中尾林道のダートに突入!
大中尾林道を行く


佐多の漁港
亜熱帯樹が見られる佐多岬周辺の山々


捕獲されたイノシシ
佐多岬入口のガジュマルの大木


佐多岬への道
御崎神社に参拝


日本本土最南端の佐多岬
根占温泉「ネッピー館」


夕食の「かんぱち丼」
フェリーが垂水港に到着


最終のフェリーに乗船
鹿児島中央駅前の「東横イン」に泊まる


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