カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

第47回 荒水谷林道

投稿日:2011年2月12日

2010年 林道日本一周・西日本編

「あれあれあれ…」と思っているうちに……

 あさぎり町の免田からは県道260号を行く。ここでは「林道前」の温泉で、薬師温泉「あさぎりヘルシーランド」(入浴料300円)の湯に入った。ここは大浴場の内風呂のみ。浴室からはさきほど白髪狗留孫林道で越えた温迫峠がよく見える。その左手には白髪岳(1416m)から小白髪岳(1183m)へとつづく山並みが見える。
 薬師温泉「あさぎりヘルシーランド」の湯から上がると、さらに県道260号を行き、小白髪岳峰越林道に入っていく。
 ロングダートの小白髪岳峰越林道なのだが、行けども行けども舗装路がつづく。
「あれあれあれ…」
 と思っているうちに荒水谷林道との分岐を過ぎ、とうとう熊本・宮崎県境の名無し峠に着いてしまった。
 わずかな望みを託して宮崎県側に入り、県道143号との分岐点まで下ったが、残念無念…、全線が舗装化されていた。
 気をとり直し、県境の峠まで戻り、今度は小林に通じる白髪林道に入った。だがすぐに通行止め…。
 期待していたロングダートは全線舗装だし、今度こそはと気合を入れて向かった林道は通行止め。これが林道ツーリングの難しさといったところだ。
 舗装林道の小白髪岳峰越林道を戻り、荒水谷林道に入っていく。
 この林道はダート距離こそ短いがおもしろく走れる。スズキDR-Z400Sのアクセルを吹かし、山上から谷間へと下っていく。4・5キロのダートを走りきって舗装路に出たときは、
「あー、よかった!」
 という気分になれた。
 県道143号に出ると、槻木の集落へ。そこから槻木峠を登っていく。峠には馬頭観音がまつられている。
 槻木峠の短いトンネルを抜け、峠道を200メートルほど下ったところで右に折れ、アクソー連絡林道に入っていく。風景の開けた林道で、DRに乗りながら球磨川沿いの人吉盆地を一望する。林道入口から2・0キロ地点で分岐。残念ながら災害復旧工事でアクソー林道には抜けられなかった。
 だがその地点から左に行く林道があった。
 もしかしたら人吉盆地の多良木(たらぎ)まで下っていけるのではないかと期待し、その林道を下っていった。だが、またしても残念無念…、5・0キロ地点で行止まりになった。
「クソーッ!」
 来た道を引き返し、槻木峠に戻り、今度は県道143号で多良木に下った。
 多良木町の中心多良木では、くま川鉄道の多良木駅前の「えびす温泉センター」(入浴料300円)の湯に入った。湯から上がると「カレーセット」(600円)を食べた。
 そのおかげでムシャクシャした気持ちはおさまり、また新たな林道に向かっていこうという気になった。
 旅でトラブルに見舞われたときは温泉に入って、そのあと食べるに限る。ちょうどいい気分転換になり、また新たな発想が生まれるというものだ。

フォトアルバム

薬師温泉「あさぎりヘルシーランド」
小白髪岳峰越林道からの眺め


白髪林道は通行止め
荒水谷林道のダートに突入!


荒水谷林道からの眺め
谷間に下っていく


荒水谷林道沿いの森林地帯
槻木峠のトンネル


アクソー連絡林道に入っていく
アクソー連絡林道から見下ろす人吉盆地


さー、多良木に下れるか…
展望ポイントでDRを停める


ここが行止まり地点
多良木の「えびす温泉センター」


「えびす温泉センター」の露天風呂
「カレーセット」を食べる


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