第61回 国道191号
投稿日:2011年3月3日
2010年 林道日本一周・西日本編
「海国・日本」と「山国・日本」の両方を見られる贅沢なルート
銅ヶ峠林道の通行不能地点から国道191号に戻ると、美都温泉「湯元館」(入浴料400円)の湯に入る。大浴場と露天風呂。湯から上がると、隣接している食事処「ゆのや」で昼食。「のどぐろの煮付け定食」(1000円)を食べた。魚大好き人間カソリにとっては、ノドグロの煮魚はたまらない味だった。
いい気分で美都温泉を出発。スズキDR-Z400Sを走らせ、国道191号で広島県境に向かっていく。
まずは銅ヶ峠を越える。新道はトンネルで峠を抜けている。トンネルを抜け出たところで右折し、ダートの旧道で峠まで行った。
国道191号の新道に戻ると、島根・広島県境の峠へ。峠の周辺は平坦な地形で、峠に名前はない。だが、この名無し峠は山陰と山陽を分ける中央分水嶺の峠。国道191号の峠の中では一番重要な峠といっていい。
ところでこの国道191号は下関を起点にし、広島を終点にする国道だが、ぼくの大好きなルートのひとつだ。
下関からは日本海のきれいな海岸線に沿って走り、島根県の益田へ。交通量の少ないルートで、じつに気持ちよく走れる。
益田からは峠越えのルートに変り、次々に峠を越えていく。
国道191号は「海国・日本」と「山国・日本」の両方を見られる贅沢なルート。中国道の戸河内ICのある戸河内からは、広島県内では最大の川、太田川に沿って広島市内へと入っていく。
県境の名無し峠を越えて広島県に入ると道戦峠を越える。北広島町と安芸太田町の境の峠だが、何か、いわくのありそうな峠名だ。安芸太田町に入ると、ゆるやかに起伏する高原の風景に変わる。峠を下ったところでは大朝鹿野林道と交差するが、この大規模林道は山岳ハイウェーのような幅広の舗装路だ。
つづいて先峠(さきだお)、虫木峠(トンネル)と越え、戸河内へと下っていった。
国道191号の峠だが、島根県内には笹ヶ峠と銅ヶ峠の2峠、広島県内には道戦峠と先峠、虫木峠の3峠、それと県境の峠を合わせ、全部で6峠もある。
島根県最後の林道も完全舗装
戸河内からは国道186号で島根県の浜田に向かっていく。
加計を過ぎると山中に入っていく。
温井ダムの脇を通り、「芸北オークガーデン」(入浴料500円)の湯に入り、広島・島根県境の傍示峠へ。ここには「芸北高原大佐スキー場」がある。
中央分水嶺の峠、傍示峠を越え、島根県側に下ったところでは掛山(843m)の西側に延びる掛山林道を走った。だが行けども行けども舗装路がつづき、全線が舗装化されていた。この掛山林道が島根県最後の林道になるので、何とも残念だった。まあ仕方ないな。
国道186号に戻ると波佐温泉「ほたる湯館」(入浴料400円)の湯に入った。木の香の漂う建物。こじんまりとした湯船。
笹ヶ峠(トンネル)を越えたところでは湯屋温泉「きんたの里」(入浴料600円)の湯に入った。大浴場と露天風呂の湯は黒湯。湯から上がると館内のレストランで「カレーライス」(420円)を食べた。安くて味がよくて、これはオススメだ。
夕暮れの迫る頃、浜田に到着。
浜田からは国道9号で日本海側を行く。江津を通り、中国第一の大河、江の川の河口を渡り大田(おおだ)へ。大田といえば益田、浜田とともに「石見の三田」といわれる。
大田からは国道375号で石見の一の宮、物部神社に寄り道をする。
大田に戻るとさらに国道9号を行く。出雲市との市境が石見と出雲の国境になる。
平成の大合併で島根県の日本海沿岸はガラリと変った。
島根県は西部の石見と東部の出雲の2国から成っているが、石見側は益田、浜田、江津、大田の4市、出雲側は出雲と松江の2市だけになり、三隅町や温泉津町、仁摩町…といった「町」はきれいさっぱりとなくなった。
出雲市も平田市、佐田町、多伎町、湖陵町、大社町と2005年に2市4町が合併し、大「出雲市」になった。
そんな出雲市の中心、JR山陰本線の出雲市駅前の「東横イン」で泊まった。