カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

第106回 美深歌登林道

投稿日:2011年5月13日

2010年 林道日本一周・東日本編

連続ダート55.3km

 再度、名寄を出発。スズキDR-Z400Sを走らせ、国道40号を北へ。
 道北の大河、天塩川を渡る。天塩岳(1558m)を源とする天塩川は名寄盆地からはほぼ国道40号に沿って流れ、最後は天塩の町で日本海に流れ出る。全長256キロ。川の長さでいえば、信濃川、利根川、石狩川に次いで日本第4位。源流から河口まで北海道らしい豊かな自然が残されている。
 天塩川を渡り、美深の町に入っていく。国道沿いの食堂「久の家」で「コロッケ定食」(800円)を食べ、道北のハイライト、美深歌登林道に向かっていく。
 美深から国道40号を北に4キロほど行き、宗谷本線の無人駅、初野駅で踏切を渡り、道道680号に入る。道道680号をそのまま行けば、美深歌登林道の入口。国道40号から6・2キロ地点でダートに突入だ。
 道幅の広い走りやすい林道。適度の砂利で、バイクでもそれほどハンドルをとられることもなく走れる。
 加須美峠に向かって登っていく。一気の登り。ゆるやかな勾配、ゆるやかなカーブなので速度を上げて登っていける。
 16・9キロのダートを走破し、美深町と枝幸町の境の加須美峠に到達。2006年の合併で歌登町は枝幸町に編入されたが、それ以前は美深町と歌登町の境だった。
 加須美峠からは稜線上のダートで函岳の山頂まで寄り道をする。途中で霧の中に突っ込み、標高1129メートルの函岳山頂に着くと、2、3メートル先も見えないような濃霧。天気がよければオホーツク海やはるか遠くには利尻島が見えるのだが…。
 残念ながらまったく視界のない函岳で折り返し、加須美峠に戻った。加須美峠→函岳間の往復は20・0キロ。加須美峠からの下りは美深からの登りに比べてはるかに直線区間が長い。ストレート・ダートを駆け下り、18・4キロのダートを走り、道道120号の手前で舗装路に出た。美深歌登林道のダートは35・3キロ。函岳への往復を加えると、55・3キロの連続ダート距離になる。
 美深歌登林道は「林道日本一周1999」でも走った。その当時は道北スーパー林道といわれていた。今回とは逆に歌登側から美深側に走った。歌登側は快晴だったのに、加須美峠に向かっていくとみるみるうちに雲が出てきた。青空は姿を消し、あっというまに曇空に変わった。加須美峠からは今回と同じように稜線上の道を走り、函岳の山頂まで行ったがやはり濃霧で、まったく視界がきかなかった。
 函岳から加須美峠に戻り、美深に下ると雨が降りだした。56・5キロのダートを走り切り、美深の町に入っていったが、歌登は晴れ、加須美峠は曇り、函岳は濃霧、美深は雨と、加須美峠をはさんでの天気の違いが鮮明だった。
 美深歌登林道の函岳往復を加えてのダートは1999年が56・5キロ、2010年が55・3キロでこの10年間、ほとんど変わっていない。
「どうぞいつまでもこのダートが残っていますように!」
 と、道道120号に出たときは、そう願ってしまった。


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今回のエリア:昭文社ツーリングマップル北海道 55

美深→加須美峠→函岳→加須美峠→道道120号

再度、名寄を出発
名寄盆地を流れる天塩川


美深を貫く国道40号
美深で昼食


美深歌登林道の入口
美深歌登林道を行く


加須美峠に到着
加須美峠の道標


加須美峠からの眺め
加須美峠から函岳へ


濃霧の函岳山頂
加須美峠を下っていく


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