カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

第130回 碁石岬

投稿日:2011年10月13日

2010年 林道日本一周・東北編

鮮度抜群の「ホヤ」に三陸の旅を実感する

 広田半島最東端の黒崎をあとにし、4方向すべてが県道38号の広田の交差点に戻ってくる。そこから今度は小湾の大野湾沿いに県道38号を北上。広田半島の西側は大きな湾の広田湾、東側は小さな湾の大野湾、その北の門之浜湾という構造になっている。
 JR大船渡線の小友駅へ。この一帯の小友は「気仙大工」の本場。ここから日本各地へ多くの名工が出稼ぎに行っている。
 小友駅の近くで大船渡線の線路を渡り、広田半島から末崎半島に入っていく。
 広田半島は陸前高田市、末崎半島は大船渡市になる。
 県道38号から県道275号経由で末崎半島最南端の碁石岬へ。
 見事な海岸美の碁石海岸を走り、岬の駐車場にビッグボーイを停める。駐車場の前にはその名も食事処「岬」。
「岬」で三陸の味覚、ホヤを食べた。鮮度抜群のホヤなのでくさ味などはまったくない。
 ホヤを食べると、
「あー、今、自分は三陸にいる!」
と実感できるのだ。
 駐車場から岬への遊歩道を歩く。
 岬の突端には灯台。その先の展望台からは大野湾、門之浜湾の海を眺める。あちこちに見える養殖筏では主にワカメが養殖されているとのことだが、三陸海岸は日本一のワカメの産地になっている。
 碁石岬を後にし、岬近くの熊野神社を参拝。
 境内には日本一の大椿、「三面椿」がある。
 末崎半島からは来た道を引き返し、県道38号に入ると再度、広田半島へ。広田の交差点に戻ってくる。そこから広田半島西側の広田漁港へ。岸壁にビッグボーイを停めると対岸に落ちていく夕日を眺めた。

 広田半島の東岸を走り、陸前高田へ。
 町の入口近くにある民宿「吉田」に飛び込みでいくと、何ともありがたいことに泊めてもらえた。時間は夜の7時近くだったが、夕食も用意してくれるという。
 窓を開けると、すぐ近くの神社での夏祭りの様子が見える。そんな光景を眺めながらビールを飲んでいると、
「夕食ができましたよ」
の声。
 さっそくいただく。カツオとイカの刺身、エビのフライ、ホタテの貝焼き、サンマの塩焼き、ナマコの酢の物、味噌汁も貝汁だ。
 民宿「吉田」の海の幸三昧の夕食には大満足。おまけに網元の旦那と女将の奥さんにはとってもよくしてもらった。いやー、お世話になりました。

※2011年3月11日の東日本大震災による大津波で、陸前高田の民宿「吉田」は流されてしまい、今は跡形もありません。しかしご主人も奥さんも無事、避難したと聞いています。碁石海岸も大津波で激しくやられましたが、奇跡的にも海岸に近い熊野神社は残り、日本一の大椿「三面椿」も無事でした。


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今回のエリア:昭文社ツーリングマップル東北 53

黒崎→小友→碁石岬→広田漁港→陸前高田

碁石岬の案内板
碁石岬の遊歩道


碁石岬の灯台
碁石岬の展望台


碁石岬突端の岩場
碁石岬の漁港


碁石海岸の熊野神社
熊野神社境内の三面椿


広田の交差点に戻ってきた
広田漁港で見る夕日


陸前高田の民宿「吉田」
民宿「吉田」の夕食


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