第203回 立石寺
投稿日:2012年1月24日
2010年 林道日本一周 東北編2
芭蕉も絶賛した山寺を訪ねる
横手に戻ると、リンゴ園がつづくフルーツラインを走り、温泉施設の「ゆっぷる」(入浴料400円)へ。「湯」と「アップル」を合わせて「ゆっぷる」なのだろう。さっそく大浴場の湯につかる。その瞬間、ロングダートの南本内林道を走った疲れがスーッと抜けていく。林道の後の温泉はたまらない。
湯から上がると、人気のB級グルメ、「横手焼きそば」(600円)を食べた。
横手からは国道13号を南下。スズキDR-Z400Sを走らせ、湯沢、雄勝と通り、秋田・山形県境の雄勝峠へ。
雄勝峠を貫く雄勝トンネル(全長1375m)を走り抜け、山形県に入った。
新庄、尾花沢、東根と通り、天童から山寺へ。JR仙山線の山寺駅近くの駐車場にDRを停めると、食堂や土産物店の並ぶ参道を歩き、立石寺を参拝。
山寺の全山は天台宗の古刹、立石寺の寺域。その中に点在する8院の総称が立石寺になる。奥の院のある山は見上げるほどの高さで、断崖がそそりたっている。
立石寺の入口から石段を登って、まずは本堂的存在の根本中堂で手を合わせる。古色蒼然とした堂内には不滅の法灯。開祖慈覚大師(円仁)が比叡山延暦寺から移したというその法灯は、1200年もの間、消えることなく燃えつづけている。根本中堂には本尊の薬師如来像がまつられている。
境内の芭蕉像と芭蕉の句碑を見、茶店で名物の「力こんにゃく」を食べ、気合を入れて奥の院を目指す。
山門をくぐり1100余段の石段を登っていく。
姥堂を過ぎると蝉塚。芭蕉の書いた短冊がこの中にあるという。
巨大な百丈岩、弥陀洞を過ぎると仁王門。ここからは急な石段になる。観明院、性相院から金乗院へ。その東側にある「胎内巡り」をして中性院、そして奥の院へ。大汗をかいての到着だ。
さらに開山堂から五大堂へ。展望台からは山寺を一望。目の前に迫ってくる天華岩の断崖絶壁が迫力満点だ。
芭蕉の『おくのほそ道』には次のように山寺が描かれている。
山形領に立石寺という山寺あり。慈覚大師の開基にして、殊に清閑の地なり。一見すべきよし、人々の勧むるによりて、尾花沢よりとって返し、その間七里ばかりなり。日いまだ暮れず。麓の坊に宿借り置きて、山上の堂に登る。岩に厳を重ねて山とし、松栢年旧り、土石老いて苔滑らかに、岩上の院々扉を閉じて物の音聞こえず。岸を巡り、岩を這ひて、仏閣を拝し、佳景寂莫として心澄みゆくんのみおぼゆ。
閑かさや岩にしみ入る蝉の声
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今回のエリア:昭文社ツーリングマップル東北 55→50→45→39→33