カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

環日本海ツーリング[30]

投稿日:2012年3月13日

サハリンへと繋がる稚内港に到着

 天塩を出発。道道106号で北海道第2の大河、天塩川を渡り、稚内を目指して一直線の道を行く。交通量は極少。スズキDR-Z400Sのエンジン全開で突っ走る。道道106号は超快走路。
 北緯45度線を越え、天塩町から稚内市に入る。稚咲内漁港でDRを停め、日本海に浮かぶ利尻島を眺めた。道道106号も「日本海絶景ルート」だ。

道道106号で天塩川を渡る
一直線に延びる道道106号


北緯45度線の石碑
花畑の向こうに日本海が広がっている


 抜海を過ぎた分岐では道道106号から道道254号に入り、さらに日本海の海岸線を行く。
 日本最北の温泉、稚内温泉「童夢」(入浴料600円)の湯に入り、野寒布岬に立った。岬には北海道一のノッポ灯台。野寒布岬からは波静かな宗谷湾岸を走り、稚内港に到着だー!
 北海道遺産にもなっている北防波堤ドームでDRを停め、稚泊航路の記念碑を見た。

日本最北の温泉、稚内温泉「童夢」
野寒布岬のノッポ灯台


野寒布岬から見る日本海
野寒布岬から稚内へ


稚内港の北防波堤ドーム


稚内港の稚泊航路の記念碑


 稚泊航路というのは、大正12年(1923年)に鉄道省によって開設された稚内と旧樺太の大泊(現コルサコフ)を結ぶ航路で、日本の北への交通の動脈になっていた。昭和20年(1945年)に閉鎖されるまで300万人の乗客を運んだという。稚泊航路のほかに稚内と本斗(現ネベリスク)を結ぶ稚斗航路もあった。
 稚内市は現在、このコルサコフ、ネベリスクの両市と友好都市の提携を結んでいる。
 稚泊航路の記念碑の立つ岸壁から1991年、ロシア船に乗り、バイクともどもサハリンに渡った。最初はコルサコフ(旧大泊)に行くといっていたのに、船が宗谷海峡に出ると、急きょ、行き先はホルムスク(旧真岡)に変わった。ホルムスクに上陸すると、ロシア側の車に先導されてサハリンの州都、ユジノサハリンスク(旧豊原)に行き、そこを拠点にしてサハリン南部をまわった。
 さらにその10年後の2000年には稚内からコルサコフに渡り、サハリンを縦断。サハリン最北端のエリザベート岬が見える地点まで行った。
 今回の「環日本海ツーリング」でも、稚内からサハリンに渡るのだ。

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