環日本海ツーリング[85]
投稿日:2012年6月6日
蘇るアムール川との思い出

ぼくが初めてアムール川に出会ったのは1977年。列車でシベリアを横断したときのことだ。横浜から船でナホトカに渡り、そこからシベリア鉄道に乗った。ハバロフスクに泊まり、町中を流れるアムール川を見たときは、「おー、これがアムール川か!」と世界の大河に感動した。ハバロフスクからさらにイルクーツクに向かったが、その途中で列車はアムール川最大の支流、シルカ川に沿って走った。
シベリア横断から20年後の1997年には「モンゴル周遊3000キロ」を走った。
首都のウランバートルを出発するとバイヤン峠を越えた。モンゴル語で峠は「ダワ」という。日本語にすごく似ている。峠には石が積み上げられている。それを「オボウ」という。旅の安全を祈って「オボウ」のまわりを3回、時計回りに回る。
バイヤン峠を越えると、大草原の中につづくダートを走る。草原の緑が目にしみる。その中には点々と牧畜民のゲル(テント)を見る。ヒツジやヤギ、ラクダ、馬などの家畜の群れも見る。その草原地帯をゆるやかに流れるケルレン川がアムール川の源流だ。
ケルレン川は中国の内蒙古自治区の呼倫湖に流れ込む。呼倫湖から流れ出るアルグン川は中露国境を成し、最大の支流、シルカ川を合わせてアムール川になる。
アムール川は中国名の黒龍江だ。
2002年の「ユーラシア横断」ではロシアのウラジオストックに上陸し、ハバロフスク近郊でアムール川にかかる完成して間もない橋を渡った。ハバロフスクからは中国国境を走り、アムール州の州都、ブラゴベシチェンスクに到着すると、アムール川対岸の中国・黒龍江省の黒河の町を眺めた。
2004年の「旧満州走破行」では中国・黒龍江省の省都、ハルビンを拠点にして旧満州を走ったが、まずは黒河に行き、今度は黒龍江対岸のブラゴベシチェンスクの町を見た。さらに中国最北の漠河村まで行った。そこは「北極村」。中国では国の最北端を北極という。黒龍江のたもとには「中国・北極」の碑が建っている。
内蒙古自治区に入ると、アムール川上流のケルレン川が流れ込む呼倫湖やアルグン川に合流するハイラル川を眺めた。ともにとてつもなく大きい湖だし、とてつもなく大きな川だ。
ハルビンに戻ると東へ。黒龍江省の同江では黒龍江と松花江の合流地点、撫遠では黒龍江とウスリー江の合流地点を見た。黒龍江(アムール川)の川幅はこのあたりが一番、広くなっている。
黒龍江とウスリー川の合流地点は当時としては中国・最東端の地点で「東極」と呼ばれていた。そこに中国・公安の目をかいくぐって立ったのだ。
そんなアムール川に2011年の「環日本海ツーリング」で再会した。
2004年の旧満州走破行







