アドレス日本巡礼[205]
投稿日:2014年12月20日
大和国の札所めぐりへ
「西国33番」第5番札所の葛井寺のある藤井寺は、古代からの大和盆地への出入口。この一帯は古墳地帯で、仲哀天皇陵や応神天皇らの古市古墳群と呼ばれる巨大古墳がある。
交通の要衝の地、藤井寺からは竹内街道の国道166号で大阪・奈良の府県境の竹内峠へ。推古天皇の時代に開かれたという竹内峠越えの道は、古代日本の最初の官道。朝鮮や中国からの渡来者たちは難波の港から竹内峠を越えて大和にやってきた。竹内峠は中世以降も盛んに使われ、明治中頃までは峠の頂上に旅館や茶屋があったという。
藤井寺を出ると雨が降り出した。雨に濡れた峠道を走り、竹内峠に到達。峠の頂上でアドレスを止めた。大阪府内では和泉国の施福寺と河内国の藤井寺の2寺をめぐったが、まだ摂津国の札所が残っている。
竹内峠を越えて奈良県に入った。
幸いなことに雨は上がった。
「さー、大和国の札所めぐりの開始だ!」
国道166号の大阪・奈良府県境の竹内峠を越え、大和盆地に下っていく。大和高田から橿原市の中心、八木へ。八木からは国道169号を南下。耳成山、天香久山、畝傍山の大和三山が見える。大和盆地と吉野川流域を分ける芦原峠の芦原トンネル入口まで行き、「峠返し」で折り返し、国道169号を右折。「西国33番」第6番札所の壺坂寺(南法華寺)に通じる県道119号を2キロほど走ると壺坂寺(つぼさかでら)に到着。寺は高取山(583m)の中腹にある。拝観料の600円を払い、境内に入っていく。入口の案内板には次のように書かれている。
壺坂寺の仁王門をくぐり、石造仏群を見、本堂へ。境内の中心部はひな壇のようになっていて、昔からの堂塔は最上段に建ち並んでいる。三重塔は明応5年(1497年)の再建、塔の北側にある本堂の礼堂は室町時代の建立、その奥の八角円堂は幕末の再建。礼堂と八角円堂は堂内で結ばれており、本尊の十一面千手観音坐像を間近で拝むことができる。壺坂寺の参拝を終えると、高取城跡まで行ってみる。高取山の山頂周辺にある壮大な山城で、「日本三大山城」のひとつに数えられている。