アドレス日本巡礼[207]
投稿日:2014年12月22日
和製マッターホルン
5月18日、夜明けとともに桜井の「とみやま旅館」を出発。JR桜井線の桜井駅に寄り、伊勢街道の国道166号で奈良・三重県境の高見峠に向かう。「伊勢街道」というと東海道の日永追分(四日市)で分岐する伊勢街道がよく知られているが、関西圏からの参宮街道といえばこの伊勢街道になる。紀州藩の参勤交代路としても使われたので、三重県側では和歌山街道と呼んでいる。
我が相棒のスズキの125ccスクーター、アドレスV−125Gは今日も快調。軽快なエンジン音を響かせて走るアドレスの、いつもどおりの走りの良さにはうれしくなってしまうほどだ。
まずは女寄峠を越え、つづいて佐倉峠を越える。佐倉峠(桜峠)は関西圏のみならず、日本各地に数多くある峠名。ぼくが確認しているだけでも22峠あり、地蔵峠や中山峠、大峠、三国峠を上回っている。
県道16号との分岐点を過ぎると杉谷川の流れに沿って走る。流域は吉野杉の美林地帯。杉谷の集落を過ぎると高見峠への登りがはじまる。奈良・三重県境の高見峠は旧道を行けば「和製マッターホルン」といわれる高見山地の主峰、高見山(1248m)を目の前にする峠の頂上まで行かれるが、今回は新道の高見トンネルを走り抜けて三重県に入り、高見山ループ橋を見下ろす展望ポイントでアドレスを止めた。ここからは大台ヶ原へとつづく台高山脈の雄大な山岳風景を眺められる。それはまさに「関西の屋根」の風景。高見山南側の高見峠は、日本最大の大断層線、中央構造線上の峠だ。そんな高見峠を越えると日本列島の骨組みを見るかのようで、気宇壮大な気分になってくる。