アドレス日本巡礼[226]
投稿日:2015年2月6日
丹波国に入る
「西国33番」第19番札所、革堂の参拝を終えると、第20番札所の善峯寺(よしみねでら)へ。河原町通を南下し、河原町五条の交差点を右折して国道1号→国道9号を行く。
「京都七口」のひとつ、丹波口を通っていく。
JR山陰本線の京都駅の次は丹波口駅で、山陰道の出入口の丹波口は駅名に残っている。かつての山陰道は七条通で桂川を渡り、桂離宮前を通り、老ノ坂峠を越えて亀岡盆地に入っていった。現在の山陰道の国道9号は五条通で桂川を渡り、老ノ坂峠を越えていく。
国道9号で西京極を通り、西大橋で桂川を渡り、京都盆地の西側に連なる西山へ。善峯寺は西山にある。
京都縦貫道の沓掛IC手前の交差点を左折し、府道10号→府道208号で善峯寺へ。市街地を抜け、西山の山中に入っていく。善峯寺の周辺には竹林が多い。この一帯は京都特産の筍の産地で、筍料理の店も点在している。
西山の釈迦岳(631m)の支峰、良峰の中腹に建つ善峯寺からの眺めはすばらしい。真正面に醍醐寺のある醍醐山を望み、眼下には京都盆地が茫々として広がっている。その中を桂川、宇治川、木津川が流れている。遠くには京都タワーが見えている。善峯寺は西山第一の展望台といっていい。
さて、善峯寺の参拝だ。
拝観料の500円を払い、堂々とした造りの山門(仁王門)をくぐる。石段を登ったところに入母屋造本瓦葺の大屋根の本堂がある。本尊は十一面千手観音。本堂から多宝塔、そして多宝塔の前にある「遊龍の松」と見てまわる。天然記念物にも指定されている遊龍の松は高さは2メートルほどだが、うねるような太い幹が北側と西側に40メートル以上も延び、「日本一の松」との定評もある。
善峯寺の参拝を終えると国道9号に戻り、老ノ坂峠を越えた。同じ京都府でも、山城国から丹波国に入ったのだ。
老ノ坂峠といえば明智光秀だ。天正10年(1582年)、丹波の亀岡城を発った明智光秀の軍勢は備中に向かうと見せかけ、「今は時!」と老ノ坂峠を越え、京都・本能寺の織田信長を討ったことでよく知られている。