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生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本巡礼[228]

投稿日:2015年2月10日

鳥取砂丘まで行く

西国三十三ヵ所めぐり 2009年5月19日

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出雲大神宮の鳥居

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出雲大神宮の舞殿

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出雲大神宮を参拝

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亀岡から国道9号を北へ

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兵庫・鳥取県境の蒲生峠

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鳥取砂丘を歩く

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「味喰」の「天丼」

「西国33番」第21番札所の穴太寺の参拝を終えると、亀岡から山陰道の国道9号を北へと走り、亀岡市内にある丹波国の一宮、出雲大神宮へ。

 国道9号の千原の交差点を右折し、府道73号を行く。保津川上流の大堰川を渡った山裾に出雲大神宮はある。「千年の社」といわれるほど歴史の古い神社。現在の宮司家はなんと85代目。ここは元出雲で出雲大社よりも歴史が古い。出雲国の出雲大社は明治になるまでは「杵築大社」といわれていたので、「出雲神社」といえばここを指していた。

 そんな出雲大神宮を参拝。拝殿は入母屋造、本殿は三間社流造。祭神は大国主神と后神の三穂津姫神。保津川の名前は三穂津姫神に由来する。境内には御神水の真名井がある。出雲大神宮のご神体は背後の千年山。御蔭山(御影山)とも呼ばれるこの山に、神が降臨したという。この山から御神水が湧き出している。

 出雲大神宮の参拝を終えると、国道9号をさらに北へ、近畿と中国の境、兵庫・鳥取県境の蒲生峠まで行ってみる。

 南丹市の園部を過ぎると、中央分水嶺の峠、観音峠を越える。標高270メートルのこの峠を境にして南側は淀川の水系で大阪湾に流れ込み、北側は由良川の水系で若狭湾に流れ込む。観音峠は日本列島を太平洋側と日本海側に二分している。

 短いトンネルを抜けて観音峠を越えると、もうひとつ、高原状のゆるやかな峠を越え、福知山盆地へと下っていく。日本は「峠の国」であるのと同時に「盆地の国」。峠を越えて、盆地に入っていくたびにそう思う。

 福知山盆地の中心地、福知山から、夜久野峠を越えて兵庫県に入る。旧国でいうと丹波から但馬に入った。夜久野峠は丹波・但馬の国境峠。夜久野峠を越えると、川の流れが由良川の水系から円山川の水系に変わる。峠を越えると、川の流れが変わるのだ。

 兵庫県に入ると和田山、八鹿と通り、八井谷峠、春来峠を長いトンネルで抜け、山陰の名湯、湯村温泉から蒲生峠に向かっていく。

 蒲生峠は旧道で越えた。2車線の舗装路だが、交通量はほとんどない。新道よりもはるかにタイトなコーナーをクリアし、分岐点から1キロほどで兵庫・鳥取県境の蒲生峠に到達。旧国でいえば但馬・因幡の国境峠。切通しになった峠にアドレスを止めた。峠周辺の木々の緑がまぶしいほど。透き通るような空気。標高335メートルの蒲生峠は昔からの山陰道の要地。江戸時代には鳥取藩などの大名行列がこの峠を越えた。京都を起点にする山陰道は丹波の亀岡、福知山、但馬の和田山を通り、蒲生峠を越えて因幡に入っていくのだ。

 時間は17時30分。

 まだまだ十分に明るいので、

「せっかくここまで来たのだから」
 と、鳥取砂丘まで行くことにした。

 蒲生峠を越えて鳥取県に入り、旧道を下っていくと蕪島の集落を通っていく。歴史を感じさせる古い家並みの残る集落だ。

 国道9号(新道)に出ると岩井温泉を通り、18時に鳥取砂丘に到着。アドレスを駐車場に停めて鳥取砂丘を歩いた。砂丘のてっぺんまで駆け登り、そこから夕暮れの日本海を一望した。

 夕暮れの鳥取砂丘をあとにすると、来た道を引き返し、国道9号で京都へ。

 鳥取・兵庫県境の蒲生峠は新道のトンネルで走り抜け、兵庫・京都府県境の夜久野峠を越え、20時30分、福知山に到着。国道9号沿いの「味喰」という店で夕食にし、「天丼」を食べた。

 21時、福知山を出発。京丹波、園部、亀岡と通り、老ノ坂峠を越えて京都市内へ。

 23時、鳥取砂丘から199キロ、四条大宮の「東横イン」に戻って来た。連泊だ。部屋に入ると、今日も一日、絶好調で走りつづけてくれたアドレスにカンビールで乾杯!

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