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生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本巡礼[244]

投稿日:2015年3月15日

羅漢さんのカレンダー

西国三十三ヵ所めぐり 2009年5月21日

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国道372号沿いの麦畑

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清水寺の山門

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清水寺の全図

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坂上田村麻呂の佩刀奉納

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清水寺の薬師堂

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薬師堂の薬師如来像

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清水寺の大講堂

 丹波篠山を出発し、篠山盆地出口の篠山口へ。そこから国道176号経由で国道372号を行く。丹波焼の立杭に寄ったあと、篠山市と加東市の市境の名無し峠を越える。この峠が丹波と播磨の国境になる。摂津、丹波につづいての兵庫県の3国目、播磨に入った。

 峠を下ったところで国道372号を左折し、県道311号に入り、「西国33ヶ所」第25番札所の清水寺(きよみずでら)へ。

 県道311号を左折し、山中に入ると、登り口にある有料道路風の料金所で300円を払う。これが清水寺の拝観料ということなのだろう。京都の清水寺と区別するためなのだろう、この清水寺は「播州清水寺」ともいわれる。標高552メートルの御嶽山の山頂近くにある寺だ。

 道路の行止り地点の大駐車場にアドレスを止めると、色鮮やかな楼門の山門をくぐり、境内に入っていく。清水茶屋の前を通り、放生池へ。この池をはさんで右側(山門側)に薬師堂、左側に大講堂がある。この大講堂が「西国33ヶ所」の札所で、本尊の千手観音像がまつられている。方生池から石段を登ったところには根本中堂があり、清水寺を開山したインド人僧、法道仙人作の十一面観音がまつられている。30年に一度、開扉されるという秘仏だ。

 寺伝の文書によると、法道仙人はインドの山中で修業を重ねるうちに自由自在に飛行できる術を習得し、仏道を広めるためにチベット、中国、朝鮮を経て、摂津・丹波・播磨の三国国境に近い御嶽山に降り立った。法道仙人の法力はすさまじいもので、水のない山上で水神に祈願すると、たちまち霊水が湧き出した。「清水寺」という寺名はこの霊験による。延暦年間(782年〜806年)には、観音に帰依した征夷大将軍の坂上田村麻呂が京都から毎月参詣し、佩刀「騒速」を奉納したという。

 根本中堂では「羅漢さんのカレンダー」を見た。2009年の1月から12月までの12枚のカレンダー。羅漢さんがらみの絵と一言人生訓が書かれているのだが、それがすごくいい。

1月 どんな時でもありがとうの一言を忘れないこと
2月 自分を認めてくれる人が一人でもいたらその人のためにも頑張っていくんだね
3月 いばらない自慢しないけちらない悪口を云わないそうすればついてきます
4月 食事のしかた笑いかた返事のしかたでその人の品性がわかります
5月 おとなでもこどもでも叱られるよりはほめられた方ががんばるものです
6月 自分は手を出さないで人のやったことに口を出すな
7月 針だけ垂れても魚は釣れませんなあ
8月 知っているふりをするよりも知らないことにしていた方がうまくいきます
9月 そこから先は聞かないそこから先は云わないそれが大人のつきあいです
10月 人をあてにするから裏切られるのです
11月 刃ものの傷はなおるがことばの傷はなおらない
12月 人生一寸先は闇だその一寸先は光だ

 このような1月から12月までのカレンダーだが、とくに12月の一言は旅の極意といってもいい。

 こうして清水寺の参拝を終えると、「清水茶屋」で「山菜そば」を食べた。

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清水寺を参拝 清水寺の鐘楼 清水寺の根本中堂

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清水寺のシャクナゲ 清水茶屋 清水茶屋の「山菜そば」

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